日本初の蓄電池電車Accumの運行開始に合わせて烏山の伝統的な祭が特別開催されていたので見学してきました。以下レポートします。
栃木県那須烏山市の烏山に450年に渡って伝わる伝統的な祭が「山あげ祭」です。通常は毎年7月に行われるのですが、今年は蓄電池電車Accumが日本で初めて営業運転を開始することを記念して特別にこの日上映されました。これは長い歴史の中でもほとんどなかったことだといいます。
この山あげ祭は「京都祇園祭の山鉾行事」などの山車や屋台が街を巡る全国18府県32件の祭りのひとつとして「山・鉾・屋台行事」の名前でユネスコの無形文化遺産に提案されることが3月27日に決まったばかり。
観客として訪れる場合、山あげ祭は「野外歌舞伎」と呼ばれるように山車や屋台などを組み上げた野外で演じられる歌舞伎の演目を見ることになりますが、それは「余興公演」と呼ばれる祭の一部でしかありません。
元々は牛頭天王に疫病退散を祈願したのが起こりとされており、当初は相撲や神楽獅子が奉納されていました。しかし後の世、和紙や木材の産地として反映した際に、当時は高価だった和紙を貼り、背景を描いた「山」と呼ばれる高さ十数メートルの舞台装置を文字通り上げるようになりました。
山を上げるのは地元の6つの町の若衆と呼ばれる男たち。当番制であることから当番町と呼ばれ、半年以上をかけて自らの手で「山」を作っていきます。これを祭の時に上げるのが祭の中心的な行事となります。若衆たちは「山」以外にも舞台装置のギミックなどを作り、その良し悪しが町ごとに競われます。
また、こうした舞台装置の設営や運搬、事前や事後の挨拶回りなども含めた全てのしきたりが祭を構成しており、それぞれの良し悪しが町ごとの対抗意識によって競われることで高められていきます。
今回は特別開催ということで山あげと余興公演が行われていました。人混みにひときわ目立つこの舞台装置。奥に見えるのが「前山」「中山」「大山」と呼ばれる3つの「山」。
今回の演目は「蛇姫様」。地元の説話が元になった歌舞伎です。舞台は本屋台と呼ばれ、ここから奥に100m程の間に「波」「館」「木」「前山」「中山」「大山」などが立てられて立体感を出します。実際に奥への渡りに当たる部分なども演目で使われ、背景であると同時に部隊の一部にもなります。
衣装はまさに歌舞伎といった色彩鮮やかで絢爛なもの。
山は演目の途中で満開の桜に姿を変えました。
クライマックスでは音響装置やスモークに加え、舞台装置が大きく動くギミックも発動。
実際の余興公演の動画はこちらから。
栃木・烏山の「山あげ祭」 - YouTube
見た目もさることながら、1年の半分を祭の準備と仕込みに費やし、祭の出来の良し悪しを町同士で競り合うという文化、最近話題になる「マイルドヤンキー」的なライフスタイルと被るところが多いのも非常に面白いです。
実はこういった昔ながらのコミュニティの文化の伝承の中に、今注目されている消費者像の原型があるとも言えそうです。
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