「著作権ビジネスを展開するスクウェア・エニックスが著作権侵害容疑で家宅捜索される」という、非常に皮肉な出来事が起きています。
産経新聞社の報道によると、「月刊ビッグガンガン」で押切蓮介氏が連載中の「ハイスコアガール」において、「SNKプレイモア」が著作権を持つ対戦格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)」や「サムライスピリッツ」などのキャラクターが無断使用されたとして、スクウェア・エニックスが8月5日に家宅捜索を受けたそうです。
ハイスコアガール単行本の巻末には著作権表示に使われる(c)マークとともにSNKプレイモアの名前が他の複数のゲーム会社とともに記され、あたかも許諾を得たような体裁になっていたとのこと。
無断使用が発覚したのは同作のアニメ化にあたり、映像製作会社がSNKプレイモアにキャラクターや音楽の使用許諾について問い合わせたことがきっかけで、5月に著作権侵害の疑いでSNKプレイモアが大阪府警に告訴していたことが明かされています。
人気漫画に他社のゲームキャラが…ドラクエの「スクエニ」を著作権侵害容疑で捜索 大阪府警(1/2ページ) - MSN産経west
ちなみに本日付けで発表された(PDFファイル)SNKプレイモアのプレスリリースによると、スクウェア・エニックスに対して著作権侵害への対応を再三申し入れたものの、誠意ある対応はなされなかったとのこと。
株式会社スクウェア・エニックスは、当社の許諾を受けることなく、当社が著作権を有する多数のゲームプログラムのキャラクターを複製使用した漫画「ハイスコアガール(著者:押切蓮介氏)」を出版し、当社の著作権を侵害しました。当社は、重大な違法行為を厳重抗議すべく、株式会社スクウェア・エニックスに対し、「ハイスコアガール」の電子書籍、単行本、月刊誌その他の販売の即時停止を再三申入れましたが、なんら誠意ある対応がなされませんでした。
当社としましては、本来、著作権等の権利を守り、その侵害に厳格に対処すべき、大手上場企業のグループ会社による極めて悪質な本件行為を看過するわけには参りません。そこで、当社は、やむを得ず、株式会社スクウェア・エニックス及び同社出版部門の関係者を、著作権法第119条第1項により刑事告訴した次第です。
ゲーム部門が「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といったビッグタイトルを抱え、テレビアニメ化した漫画作品も数多くあるスクウェア・エニックスだけに、にわかには信じがたい対応ですが、続報が待たれます。
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