自然の渓流と滝がそのまま入れる温泉という秋田県湯沢市の秘湯、川原毛温泉の大湯滝を堪能してきました。レポートします。
秋田県湯沢市にある川原毛温泉。ここは大自然を流れる渓流そのもの温泉であり、高低差20mの滝となって降り注ぐという温泉好きからすれば桃源郷と断言しても過言ではない非常にワイルドな秘湯です。
川原毛地獄 湯沢市役所
当然この大湯滝は温度調整などはされていない、まさに文字通りの「源泉掛け流し」であるため7月上旬から9月下旬の夏場以外は湯音が低すぎて入浴に適しません。また、11月上旬から5月上旬は積雪によって道路が閉鎖されてしまいます。BUZZAP!取材班が訪れたのは9月の秋分の日を前にした連休のことでした。
最初に訪れたのは川原毛地獄。古くから恐山・立山と共に日本三大霊山とされた修験の場で、807年には既に月窓和尚によって霊通山前湯寺が建立されています。酸性の火山ガスの漂白作用で山肌は眩しいほど白く染まっています。
ここには多くの地獄があります。この池は賽の河原という名前。
青い空とのコントラストが目に鮮やかです。
火山ガスは有毒なため、通路以外は全て立入禁止。時折風に乗った火山ガスの強い硫黄の匂いが鼻を突きます。
このまま道を下って行っても大湯滝には行けるとのことでしたが、もっと近くに駐車場があると秋田名物ババヘラのおばあちゃんが教えてくれました。どうやら今日が今季ラストチャンスになりそうだとのこと。俄然やる気になってきました。
もちろん秋田まで来てババヘラに出会ったなら食べない理由はありません。見てくださこの美しい盛り。バラの花をあしらった盛り方のため、専門用語で「バラ盛り」と呼ぶそうです。味は昭和を感じる素朴さ。だがそれがいい。
おばあちゃんに教えられた通りに車で15分ほど走ると大湯滝の看板が見えてくるので、そこから細い道をさらに10分ほど走ります。すると川原毛地蔵菩薩の前の駐車場に到着。川原毛地獄から歩くのに比べて大きくショートカットになります。高低差もあり、帰りのことを考えるとここに車を停めるのが間違いないでしょう。
こちらの山道を歩き始めます。
すぐに橋があり、川からは湯気も。看板には「この付近熱湯につきご注意下さい」とあり、期待が高まります。
しばらくゆるやかな道を歩いていきます。
滝の音が聞こえてきて木陰を降りて行くと、眼下に小屋が。そろそろでしょうか。
視界が開けると、目の前に滝!そして気持ちよさそうに川に浸かる人が大勢!!これが川原毛大湯滝です。もう圧巻としか言いようがありません。
ここまで来たらもちろん入るしかありません。奥の小屋が更衣室(男女別になっていないので注意!)なので、ここで着替えても良いですが最初から水着着用を強くオススメします。入浴できる時期は常に入れ替わり立ち代り観光客が訪れて写真撮影もしていますので、残念ながら全裸は薦められません。
ちょうどこの時の湯音は40度くらいで最適。寝転んで寝湯のように楽しんでもいいですし、深め(とはいえ1m弱です)の滝壺にしっかり浸かるのもいいでしょう。
もちろん大自然の打たせ湯として滝行に励んでみるのもいいですが、かなりの水圧です。極楽なのか修行なのかよく分かりませんが最高なことだけは確かです。ちなみにここのお湯、臭いはそこまで強くありませんが目に染みると結構痛いです。
滝に向かって左側から中腹まで登ることができ、こちらがおひとり様用の打たせ湯になっています。水しぶきが目に染みるので長くは入れませんが滝を目の前に眺めながらの入浴は天国です。
たっぷり楽しんだらまた15分ほど散歩して駐車場へ。こちらでもババヘラを売っていたのでまた食べてしまいました。
首都圏からだと半端でなく遠い上に公共交通機関もないため決して訪れやすい場所ではありません。しかし上手くタイミングが合って入浴できれば生涯の思い出に残る温泉体験ができることは間違いなし。秋田を訪れるチャンスが巡ってきた時には是非チャレンジしてみてください。
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