世界で最も有名な人物のひとり、イエス・キリスト。彼は本当はどんな顔立ちをしていたのでしょうか?
イエス・キリストというと面長で長髪の白人のような顔を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?もちろん本人の顔を見たことのない私達としては、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を始めとした数々の名画に描かれるキリストからその顔をイメージするのは不思議な事ではありません。
ですが、イエス・キリストが生まれたベツレヘムは現在のパレスチナのヨルダン川西岸地区に位置しており、住んでいたのはセム系のヘブライ人。私達が考えるヨーロッパの白人と同じような顔立ちだったと考えるのはちょっと無理があります。
そこでキリストが本当はどんな顔立ちをしていたのか、髑髏から生前の顔を復元する「復顔」の専門家とマンチェスター大学の元医療関係者であるRichard Neaveさんは1世紀にキリストが活動していたガリラヤ近辺の住民の髑髏から顔を再現しました。
Neaveさんらはイスラエルの考古学者の協力を得て3つのイェルサレム周辺で発掘されたセム系の髑髏を入手。コンピューターを用いた断層写真術によって髑髏の3Dの断面画像を入手。これによって肉付けされた顔がどのようなものだったかをプログラムが作成できるようになりました。
これによってキリストの生きた時代と地域の人間の典型的な頭蓋骨の形を三次元的に組み立てることができるようになりました。
Neaveさんらはそうした髑髏からの情報に加え、依拠すべき資料として当時の遺跡から見つかった絵画などを調査。そうした情報から皮膚の色や髪の毛、髭などを付け加えて作り上げられたイメージがこちら。
PHOTO: The "Real" Face of Jesus Uncovered https://t.co/yjlWf041ic pic.twitter.com/AxM0BAYU8c
— Naij.com (@naijcom) 2015, 12月 11
やはりヨーロッパの白人ではなくニュースで見る中東の人々に近い顔立ちであることがよく分かります。もちろん本人の髑髏ではないので、これがキリストの顔だった訳ではないので要注意です。
もちろんこうした地域による顔の変化は写真のなかった時代では珍しいことではありません。例えば仏教でも、ガンダーラ美術の仏像と日本の仏像では顔の彫りの深さを始め、顔立ちが違っています。
よくよく考えればゴータマ・シッダールタはインドとネパールの国境付近で生まれ、ウッタル・プラデーシュ州に当たる地域をメインに活動していた元バラモン教の苦行者だったわけですから、こうした顔立ちであったとして何ら不思議はないわけです。
知らないと思わず自分のイメージで完結してしまうことが多いですが、こうした「思い違い」はいろいろなところに転がっているのかもしれません。
Forensic Facial Reconstruction Expert Reveals What Jesus Would REALLY Have Looked Like IFLScience
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