大地震や大津波の後、瓦礫だらけの被災地でも活躍できる四足歩行ロボットが開発されています。詳細は以下から。
東日本大震災のような大地震や大津波の後、被災地は多くの瓦礫に埋め尽くされ、道路も寸断されてしまいます。そんな過酷な状況での活動を念頭に最新の災害救助用の四足歩行ロボットがイタリアで開発されました。
イタリアの Italian Institute of Technology(IIT)がこの度開発したロボットはHyQ2Max。これまで何度か紹介してきたボストン・ダイナミクス社の四足歩行ロボットに似ていますが、コンセプトは少々違っています。
HyQ2Maxが目的とする被災地での探索や救助活動において最も大切なのは、人間が簡単に足を踏み入れられない瓦礫や寸断された道路などの極めて荒れた地形を踏破でき、仮に完全にひっくり返った状態になったとしても自力で起き上がり、活動を続けられること。
関節部分の回転レンジの大きさと回転モーメントの高さから、HyQ2Maxは転倒状態から数秒のうちに復帰が可能。
さらに胴体は航空宇宙用グレードのアルミニウム合金製で作られていて落下物に対しても高い耐性を持ち、センサーやバルブ、アクチュエーターや電子部品といった繊細なパーツは内部に格納され、コンピュータは軽量ファイバーグラスとケブラーによって保護されています。動画は以下から。
HyQ2Max - the robot you can't keep down - YouTube
現在は災害救助用として開発されていますが、建築業や林業、メンテナンスや遠隔検査など、応用できる範囲は非常に広いと開発者らは考えています。次のステップは神話のケンタウロスのように、さらに2本の作業用のアームを取り付けること。
被災者の探索にとどまらず、アームを用いてこうしたロボットが人間を助け出せる日も遠くはないのかもしれません。
HyQ2Max the robot you can't keep down Reuters
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