お歳を召された方々にはやはりポケモンGOは不評のようです。詳細は以下から。
毎日新聞がRDS法というサンプリング手法を用いて全国の固定電話に対しておこなった世論調査の結果によると、世界的に大人気を博しているスマホゲーム「ポケモンGO」に対して「規制を設けるべきだ」との声が73%に上りました。
「規制する必要はない」と答えた人は17%に留まり、50代以上の回答者に限ると「規制すべきだ」の声は8割を超えています。
・それってどんな調査なの?
ちなみにポケモンGOの年代別プレイ率は10代後半と20代がそれぞれ51.2%、48.0%となっており、全体平均よりも10ポイント前後高くなっています。
一方、固定電話の保有状況を世帯主年齢別に見た場合、2014年末の段階で40代以上が世帯主である場合は8割を超えていますが、30代では50.0%、20代に至っては11.9%となっています。
どういうことかというと、毎日新聞のRDS法を用いた世論調査には実際に「ポケモンGO」をプレイしている層の意見があまり反映されておらず、むしろ固定電話を設置している40代以上が世帯主の世代の意見がより強く反映されているということ。
また、毎日新聞は調査を行ったのが8月3日(水)と4日(木)としていますが、時間帯は公表していません。当然ながら昼間の時間帯であれば40代、50代の多くは仕事中で自宅で電話を取れる状態にはありません。その場合は定年後のお年寄りが回答している可能性がより高くなると言えます。
・繰り返される「若者の娯楽」へのバッシング
高齢者が若い世代の新しい娯楽や趣味に対して否定的であることは特に驚くには値しません。手塚治虫のマンガですら「青少年に悪影響を与える」として当時は全国的なバッシングを受けました。今や当たり前になっている電車で大人がマンガ雑誌を読むという行為すら20年前には「いい年をして」と叩かれたモノです。
同様のバッシングはファミコンなどの家庭用ゲーム機やゲームボーイに始まる携帯型ゲーム機の時にも起こりましたし、アニメ視聴が犯罪と絡められてバッシングされる風潮は今でも続いています。
・どこまで「ポケモンGO」が悪いのか?
BUZZAP!でもポケモンGOによる日本でのトラブル事例は既に紹介していますが、歩きスマホやスマホ運転など、「ポケモンGO」を絡めずとも既に規制されている事例が多く、ミニリュウの巣として知られ、ゴミ問題が大きく報じられた世田谷公園などの「ポケモンの巣」へのトレーナーの集中や、原爆の日を前にした広島の平和公園からのポケストップやジムの削除などについては運営側が対応を開始しています。
また、「ポケモンGO」は(Ingressという先行例はありつつも)世界的に見て極めて新しい拡張現実(AR)とゲームのあり方であり、菅官房長官さえポケモンGOに関して発生する経済活動「ポケモノミクス」を「極めて喜ばしい」と評するように、今後の新たなビジネスやコミュニケーションの誕生や発展を内包しているもの。単なる1本の人気ゲームという位置づけのみで考え、国家が規制を設けるのはあまりにも拙速。
・新しい文化としての許容を
「ポケモンGO」に限らずスマホ運転などはこれまで通り取り締まればよい話ですし、運営側の対応やユーザー側の自主的なマナーアップなどの動きには一定の時間が掛かります。日本では現時点でリリースから半月あまりしか経っておらず、最初のブームが落ち着いていない状態であることを考えれば、混乱も時と共に落ち着いていくことが十分に考えられます。
気に入らないからとすぐに規制するのではなく、問題やトラブルに苦言は呈しつつも見守ることが新しい文化のブラッシュアップにも繋がり、より建設的な先行きを見通せることになるのではないでしょうか。
本社世論調査:「ポケモンGO規制を」73% - 毎日新聞
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