地球上に存在しない「準結晶」がロシアの隕石から発見される
宇宙には地球からは想像できない法則が転がっているのかもしれません。詳細は以下から。
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ロシアで発見された隕石から、地球上の環境では見ることのできない準結晶という極めて稀な構造が見つかりました。
準結晶は1984年にイスラエルの化学者ダニエル・シェヒトマンによって発見された構造で、結晶ともアモルファス(非晶質)とも異なる、第三の固体物質ともいうべき状態とされるもの。
通常の結晶は並進対称性を持ち、電子線回折等の回折像は1回、2回、3回、4回および6回のいずれかの回転対称性を示しますが、準結晶の回折像は5回、8回、10回または12回対称を示します。
非結晶体のようなランダムな構造ではなく、その原子配列に高度な秩序度を有しています。以前BUZZAP!ではこの準結晶のGIF画像について記事化しましたが、瞬きする度に違う構造や秩序が見えるのが分かりますでしょうか?
今回ロシアの隕石から準結晶構造を発見したのはイタリア、フローレンス大学の地質学者Luca Bindi博士らのチーム。極東ロシアのハトゥイルカ地方に5年前に落ちた隕石の破片の中に、数マイクロの準結晶構造が見つかったのです。
この隕石の内部に準結晶構造が見つかったのは3度目のこと。この準結晶はアルミニウム、銅、鉄の原子から構成されており、5回対称の構造を持っています。今回の発見は以前の2つにも準結晶構造には見られなかった化学組成だったとのことで、さらなる未知の準結晶が発見されるかもしれません。
自然界から準結晶が発見されたのはこの隕石が初めてのこと。現在では1984年の発見以来合成された準結晶構造がフライパンからLEDライトにまで応用されていますが、少なくとも地球上では自然に発生する構造ではなく、宇宙のどこでどのようにして準結晶構造が生まれたのか、まだまだ解明はこれからです。
One of the rarest crystals on Earth has been found in a Russian meteorite – ScienceAlert
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