Photo by Anssi Koskinen
いつの間にか海中に住むバクテリアがプラスチックを分解できるようになっていたという研究が公表されました。詳細は以下から。
毎年大量に海に捨てられたり流れ出すプラスチックのゴミの数々。魚や鳥、ウミガメなどがそうしたプラスチックによって怪我を負ったり死んでしまったりした写真や映像を誰しも1度は見たことがあるはずです。
しかし、そうした海中のプラスチックゴミが実はバクテリアによって分解されているのではないかという研究報告がなされました。いったいどういうことでしょうか?
スペイン・バルセロナのポンペウ・ファブラ大学の研究チームによると、海中に見つかるプラスチックゴミの総量が、実際に人類が投棄しているプラスチックゴミの総量の1/100程度しか見つからないということ。
単なる計測の間違いではないか、海流によって深海に運ばれているのではないか、全く他の地質学的要因があるのではないか、など他の可能性も当然指摘されていますが、このバクテリア分解説は決して突飛なものではありません。
2016年にはバクテリアの一種がペットボトルに使われるプラスチックのポリエチレンテレフタラート(PET 編集部注:ペットボトルのPETです)の分子結合を破壊して分解し、エサにしていることが発見されました。
自然界でPETは分解されるまでに450年ほど掛かるとされていますが、このバクテリアはわずか6週間でPETを分解してしまいます。
これとは別に、BUZZAP!では以前「昆虫食でも有名なミールワームが発泡スチロールやポリスチレンプラスチックを食べて消化できることが明らかに」というポストで、ミールワームが発泡スチロールやポリスチレンプラスチックを食べて消化できることを紹介しました。
こちらもミールワームの腸内に発泡スチロールを分解する微生物がいるためとされており、微生物によるプラスチックの生分解は夢物語ではありません。
海中でプラスチックを実際に分解しているバクテリアが特定されれば人類のゴミの処理に対して大きな進歩となる可能性もあります。
もちろん、プラスチックは基本的に有限な化石燃料である石油を原料とした石油製品であり、無造作に分解させることは得策とは言えませんので、いくらでも海に捨てても構わないということにはならないため注意が必要です。
何より野生動物にとっては分解されるまでは大きな脅威となりますし、ゴミだらけの海やビーチは美しくありませんからね?
Bacteria Are Evolving To Eat The Plastic We Dump Into The Oceans _ IFLScience
(Photo by Anssi Koskinen)
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