Photo by Audio-Technica
場合によっては能率を大幅に下げてしまうことも。詳細は以下から。
仕事や勉強をしながら音楽を聴いているという人、少なくないのではないでしょうか?周りの雑音が聞こえなくなり、なんだか集中できるような気がしてしまいますが、「仕事や勉強の種類」によっては逆効果になってしまいます。
クリエイティブな仕事や勉強にはある種の「ハッピーな」音楽がポジティブな効果を与えるという研究は既に存在していますが、それ以外の仕事や勉強ではなかなかそうとは限りません。
実験では、被験者が提示された数字や文字を正確に記憶するという単純なタスクを科しました。一般的に人は口の中で(声にするにせよしないにせよ)復唱しながら覚えていきます。この能率が背後に流れる音楽でどのように変化するかを調べました。
その結果、メロディや展開などに起伏のある音楽ほど集中力を阻害し、単調でミニマルな音楽を聴いていた時の方が静かな状態での対照実験により近いパフォーマンスを発揮できることが分かりました。
そして特筆すべき点として、そのアーティストの音楽が好きであろうと嫌いであろうと同様に集中力が阻害されたのです。
こうした現象が起こる理由は情報の入力がタスクと音楽の2系統存在していることに由来します。実験では前者は「提示された数字や文字を正確に記憶する」というもので、後者は背後で流される音楽のこと。タスクに必要な情報は前者のみのため、後者はノイズとなりパフォーマンスを低下させるのです。
同様の現象は歌詞のある音楽を聴きながら本を読んで文章を理解しようとする時にも発生します。文章からの言語の入力と音楽からの言語の入力が衝突を起こし、文章読解のパフォーマンスを低下させてしまうのです。
ということで、クリエイティブな仕事ではなく、単調な数字や文字のチェックのような仕事や暗記のような勉強をする時、書類や教科書を読んで内容を理解しなくてはならない時には音楽を聴かず静かな状態で行うか、聴くとしても歌詞のないミニマルな音楽がよいということ。
大雑把に言えばBeatlesやQueen、AC/DCなどは適さず、Brian Enoのアンビエント音楽やRichie Hawtinのミニマルテクノなどがよいということになります。
Brian Eno - Ambient 1_ Music for Airports [Full Album] - YouTube
Richie Hawtin - DE9 _ Closer To The Edit (2001, full‐length) - YouTube
なお、ここで問題になってくるのが「静かな状態」のこと。日本では都市部を中心に何かしら生活音を筆頭とした雑音が耳に入ってくるため、「静かな状態」を確保するのは簡単なことではありません。
自動車や電車の音、人の話し声、チャイムやサイレンまで、世界は音に満ちています。そうした雑音で気が散るのであれば、イレギュラーな雑音という入力を遮断するためにある種の音楽を聴くことは有効と言えるでしょう。
なんとなく習慣で、もしくはそのアーティストが好きだからと仕事や勉強の時に音楽をながら聴きしている人はもう一度その音楽を吟味してみる必要がありそうです。
Music only helps you concentrate if you're doing the right kind of task
(Photo by Audio-Technica)
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