惜しまれながら今年7月に閉館した京都のミニシアター「立誠シネマ」の移転先として準備の進んでいた「出町座」が年末にオープンすることが分かりました。
京都では「京都みなみ会館」「京都シネマ」と並び映画ファンに愛されてきた木屋町のミニシアター「立誠シネマプロジェクト(以下、立誠シネマ)」。
日本映画原点の地とされる木屋町の立誠小学校の「元・立誠小学校」で2013年4月から始まり、多くの厳選された単館系の映画の映画を上演してきた他、映画関連の展示やトークイベントなども積極的に行ってきたのが立誠シネマであり、同時に京都映画人発掘プロジェクト「シネマカレッジ京都」の拠点ともなっていました。
京都市の進める元・立誠小学校跡地活用にヒューリック株式会社が契約候補事業者として選定され、基本協定書が締結されたことをうけたことで閉館が決まりましたが、立誠シネマは出町柳の出町桝形商店街内に「出町座」として拠点を移し、「よりグレードアップした形で、様々な人や文化の交流拠点となることを目指します」としてクラウドファンディングを実施。
その結果目標額の300万円の3倍を超える9,413,645円の資金を集め、「出町座」となるビルの改装工事が着々と進められてきました。
いったいオープンはいつになるのか?京都の映画ファンたちが心待ちにする中、12月13日に正式にオープン日が年末の2017年12月28日になることが告知されました。
立誠シネマからの移転先、出町座のオープン日が決定しました。
立誠シネマプロジェクトさんの投稿 2017年12月12日(火)
2017年12月28日です。
7月末に立誠シネマを終了して約半年、たいへんお待たせいたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
出町座によると12月28日は1985年、パリのグランカフェでシネマトグラフの一般向け興行がはじめておこなわれたことにちなむ「映画の誕生日」とのこと。なんとも幸先のよいオープン日となっています。
28日のこけらおとしの作品はまだ未定で12月20日に決定されるとのこと。ですが翌日の12月29日から「この世界の片隅に」が終映時期未定で上映されることが既に決まっています。
立誠シネマは京都市の洛中で始めて「この世界の片隅に」を上映した映画館であり、ロビーで「この世界の片隅に」展を開催、片渕須直監督のトークイベントも行うなど極めて精力的にこの作品と関わってきました。
「出町座」になってもこのスタンスが続くことはファンとしてはこの上ない朗報。テアトル梅田での上映が終了し、近畿地方で「この世界の片隅に」を見られる映画館が一時的になくなっていましたが、年末以降はここに来ればまたすずさんに会えるのです。
また出町座では立誠シネマ時代から毎年12月に上映されてきた「FORMA」の上映も決定。ラインナップは今後次々と決まってくると思われますが、「たまこマーケット」シリーズのモデルとして、また森見登美彦原作の「有頂天家族」にも登場するロケーションとしてアニメファンの聖地でもある出町桝方商店街が、今後あらゆる意味で非常に楽しみなスポットになっていきそうです。
出町座 _ 京都 出町桝形商店街にある映画×書店×カフェのカルチャー拠点
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