エベレストが近代史上初めてカトマンドゥから目視可能に、新型コロナによる都市封鎖で大気汚染が改善


新型コロナウイルスのパンデミック対策のロックダウンにより、ついにネパールの首都カトマンドゥから世界最高峰のエベレストが目視可能となりました。詳細は以下から。

5月半ばのある日、ネパールの首都カトマンドゥ近郊の村チョバルから、エベレストを臨む写真が撮影されました。これは近代以降に記録が残る中では初めての出来事とのこと。

カトマンドゥは250万人の暮らすネパールの首都にして第1の規模を誇る都市。カトマンドゥ盆地に位置することから汚れた空気が逃げないため、以前から車の排気ガスを中心とした大気汚染が極めて深刻な問題となっていました。

このためカトマンドゥは、エベレストへの登山者やベースキャンプへのトレッカーらが必ず訪れる街であるにも関わらず、これまでは直接エベレストを見ることはかないませんでした。観光で数日訪れただけでも、のどを痛める旅行者は少なくありません。

それが新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってロックダウンが発生し、自動車の往来が途絶え、工場などが休業されるにつれて大気汚染が徐々に解消し、ついにエベレストが見えるまでに改善されたのです。

カトマンドゥでは、その酷い大気汚染から多くの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者がいましたが、HAMS HospitalのRaju Pangeni医師によると、彼らの多くが症状が和らいだとし、酸素療法が不要になった人も出ているとのこと。

これまでも地球の各地で大気や海洋の汚染が改善されたことが報告されていましたが、ついにその影響はヒマラヤ山脈のふもとにまで及びました。

まるで地球が「浄化」されているかようなニュースですが、こうした中に私たちがどのようなアフターコロナの世界を作り上げるべきか、少なからぬヒントが隠されているのかもしれません。

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