すでにゲームなどでは珍しくなくなったヴァーチャルリアリティ(VR)。視覚と聴覚では仮想現実の世界を体感できますが、今度は熱さや冷たさといった肌感覚を体感できることになりそうです。詳細は以下から。
シカゴ大学のHuman Computer Integration Labの研究チームがVRの体験中に匂いを用いて暑い、寒いといった錯覚を起こさせる装置を開発しています。
この装置は低電力でVRヘッドセットに取り付けられる小型のもので、ある種の臭いを用いてシンプルに暑さや寒さを感じさせることが可能です。
装置では清涼さを示すミントや熱さを示すコショウの香りなどを用いますが、これは単に嗅覚を感じる嗅球を刺激するだけではなく、鼻の三叉神経も刺激します。この三叉神経のレセプターは温度と化学物質の双方に反応します。
研究チームはマイクロポンプと噴霧器をベースとしたウェアラブル端末を開発。カスタマイズされた3種類の温度を感じられる香りをユーザーの鼻に直接噴霧することで錯覚を誘発します。
ユーザーはこれらの香りをかぐことで、VR内で暑い、寒いといった感覚を経験することになるとのこと。この装置を使った実験では、被験者は通常の状態に比べて暑さや寒さを感じたとのことです。
実際に使っている動画は以下から。ヴィジュアルの時点でサイバーパンク感があふれかえっていてたまりません。
砂漠の暑さや凍土の寒さをどこまで表現できるのか、例えばジャングルの湿度に満ちた暑さは表現できるのかなど未知数ではありますが、よりVRの世界のリアリティが増すことになるのは間違いなさそうです。
とはいえせっかく香りを使うのであれば、血や硝煙の香り、美味しい食事や人肌の香りも体験したいところ。より五感を満たす方向に向かうのでしょうか。