汚染水からトリチウム水を取り除く低コストな除染技術、近畿大学が開発していた



海洋放出問題で揺れる福島第1原子力発電所の汚染水。

「トリチウムだけは除去できない」とされていますが、決してそういうわけではないようです。詳細は以下から。

近畿大学が2018年6月に発表したプレスリリースによると、近畿大学工学部および近畿大学原子力研究所、東洋アルミニウム、ア・アトムテクノル近大(近大発のベンチャー企業)らの研究チームが、放射性物質を含んだ汚染水から放射性物質の一つ「トリチウム」を含む水(トリチウム水)を分離・回収する方法及び装置を開発したそうです。

汚染水からトリチウム水を取り除く技術を開発 東日本大震災の復興支援プロジェクトから生まれた汚染水対策 | NEWS RELEASE | 近畿大学


水と化学的性質がよく似ていることから、従来の除染技術では汚染水から分離することは困難とされていたトリチウム水。

しかし研究チームは炭やスポンジのように多量の小さな穴を持つ構造「多孔質体」と、ストローのような細い管を液体につけた際に、液体が管の中を上がっていく現象「毛管凝縮」に着目して研究を推進してきたとのこと。

完成した多孔質体は直径5nm以下の微細な穴「細孔」を有し、毛管凝縮によって細孔内に水とトリチウム水を取り込んだ後、トリチウム水を細孔内に保持したまま水だけを放出する機能があるため、汚染水からトリチウム水を高効率に分離可能に。


多孔質体を加熱することで、細孔内に残ったトリチウム水を放出し回収することができるほか、装置は繰り返し利用できるため、低コストでトリチウムを除染できるとされています。

「汚染水の容量を削減することが可能になり、保管場所問題の改善が期待される」としていた近大の技術。

まもなく発表から3年目が経過しますが、汚染水の海洋放出が注目されている今だからこそ実用化に向けて取り組む価値があるのでないでしょうか。

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