EVの心臓部ともいえるバッテリーに、供給上の大きな問題が立ちはだかっています。詳細は以下から。
Bloomberg紙の報道によると、EVのバッテリーに使われるリチウムやコバルトなどの物質が空前の高騰を見せているそうです。価格が落ち着くまでには時間がかかり、価格低下の足かせになる可能性もあるとのこと。
価格が高騰しているのはリチウムやコバルト、ニッケル、グラファイト（黒鉛）などの物質。EVの増産に伴う原材料不足に加え、新型コロナのパンデミックによる物流の遅れが原因とのこと。
リチウムは2021年に入り価格が3倍以上に高騰。これは2017年の中国の大規模なEVシフトの際に高騰した価格を超えるものになっています。
（Will Electric Car Metals Cost More Next Year - Bloombergより引用）
コンゴ共和国で世界シェアの多くが産出されるコバルトも今年に入り値段が2倍に。主に南アフリカ共和国から輸出されてきましたが、ご存じオミクロン株の拡大の影響で供給網に混乱が生じています。
なおニッケルも今年に入って17％値上がりしましたが、インドネシアの積極的な供給拡大によって2022年には価格や供給が落ち着く見込み。グラファイトも世界最大の生産国である中国の電力抑制で9月以降に急騰。今冬は電力需要の増加が見込まれるため、生産の回復は2022年前半にずれ込むとしています。
（Will Electric Car Metals Cost More Next Year - Bloombergより引用）
バッテリー価格は技術の発展に伴って年々下がってきましたが、各種物質の供給不足と高騰によって上昇に転じました。これはBloomberg紙が調査を開始した2012年から初めての事態となります。
（Will Electric Car Metals Cost More Next Year - Bloombergより引用）
EV用のバッテリーはキロワット時100ドル（約1万1300円）を切ればガソリン車やディーゼル車と同等の価格になると予想されています。
今回の高騰によってこの時期が2年ほど遅れ、2026年にずれこむ見込みに。お得にEVを買いたい人はもう少しがまんが必要になるとみられます。
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