ソフトバンクが「ワイヤレス電力伝送」実験成功、5G基地局からの送電で無線給電でき商用利用も視野


基地局や周波数を有効利用してワイヤレスで電力供給、新たな産業の開拓や発展の可能性が広がりそうです。詳細は以下から。

ソフトバンクのプレスリリースによると、同社は京都大学および金沢工業大学とワイヤレス電力伝送技術を実装したシステムの開発と実験に成功したそうです。

これは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が進める「Beyond 5G研究開発促進事業」において研究課題として採択された、「完全ワイヤレス社会実現を目指したワイヤレス電力伝送の高周波化および通信との融合技術」の研究開発を進めたもの。

ミリ波の通信装置にワイヤレス電力伝送の機能を実装したシステムを開発。電波を電気エネルギーに変換する機能を搭載したアンテナへ送電する実験において、電気エネルギーが取得できたことを確認したとのこと。

ワイヤレス伝送技術は920MHz、2.4GHz、5.7GHzで制度化が進められていますが、他の通信システムとの干渉を避けるために出力電力や送電装置の設置場所などで大きく制限を受ける可能性があるのが現状。

そのためソフトバンクは周波数のひっ迫が少ないミリ波でのワイヤレス電力伝送の実現を目指す方針で、今後より高効率かつ簡易な送電アンテナのシステムの構築や、受電アンテナの性能向上、屋外フィールド試験などによる商用利用の実証など研究開発を進めていくとしています。

2035年には全世界のIoTデバイス数が1兆個に到達し、1人100台以上のデバイスを扱うと予測される中、バッテリー交換や給電方法の問題をクリアできるかもしれない画期的な技術となるだけに、さらなる研究開発に期待が寄せられます。

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