【TGS2023】苛烈すぎる子育てシム「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」レビュー、実際にあった戦後の闇を描くノルウェー発の衝撃作



東京ゲームショウ2023のインディーゲームコーナーで、ノルウェー発の衝撃的な育成シミュレーションゲームが展示されていたので、試遊してきました。詳細は以下から。

◆ノルウェー発の実際の出来事を元にした子育てゲーム
東京ゲームショウ2023のインディーゲームコーナー。幕張メッセの別館となる9-11ホールでは、200を超える展示ブースがあります。


その一角に、ノルウェー産ゲームのブースがありました。


展示されていたのは「マイ・チャイルド・レーベンスボルン リマスター」というゲーム。独特の少し暗い雰囲気があるものの、実際の出来事を基にした育成シミュレーションです。


そしてこのゲームを紹介する前にごく簡単に振り返っておきたいのが、ノルウェーの歴史についてです。

◆「マイ・チャイルド・レーベンスボルン」とは
ノルウェーは第二次世界大戦中、ドイツの占領下にありました。1945年に戦争が終わり解放されたものの、ナチスに関する1つの問題が残されました。


アーリア人種を優れたものとする優生思想によって、ナチス党員とノルウェー人女性との間に子どもを作ることを推奨したドイツ。「レーベンスボルン」と呼ばれる福祉施設で多くの子どもが生まれることになりました。


その後ドイツの敗戦でレーベンスボルンも解体されたことで、施設で生まれ育った子どもの多くが戦争孤児となってしまったのです。

本人にはまったく罪がないにもかかわらず、「ナチスの子」として迫害を受ける子どもたち。そしてプレイヤーは壮絶すぎる背景を持つ彼らを養子として育てることになるわけです。重すぎる


◆プレイの一連の流れをざっくり解説
ゲームの最初に、引き取る子どもの性別を選択。この時点でもう「引き取られなかった子はどうなるの……」という思いが去来します。


テストプレイでは女の子を選択。カリンと名付けられ、すくすくと育っていきます。


実際のプレイの様子はこんな感じ。カリンの7歳の誕生日を祝うところから始まり、「たまごっち」や「ワンダープロジェクトJ」のように1日のうちに食事、お風呂、遊びなどの世話を行えるというもの。ときどき選択肢が現れ、会話などもできます。


また、プレイヤーは子どもが学校に行く間、仕事に行って給料を稼がなければなりません。しかし、カリンは学校でひどい扱いを受けて帰ってくるようになります。


直後にカリンが描いた絵がこちら。学校で何かがあったことが容易に想像できます。


プレイヤーの目的は、引き取った子どもを幸せにすること。プレイ中の選択によって、子どもの性格やその後の物語が変化していきます。


会場で読めたガイドブックによれば、その後もプレイヤーは「ナチスの子ってどういう意味?」といった質問や、生い立ちを伝えるべきかなどの重い選択肢を突き付けられていくことになります。


戦後間もないことを反映した貧しい食生活やボロボロのおもちゃなど、プレイすればするほど子どもにどうにか幸せになって欲しいと願わずにはいられない、マイ・チャイルド・レーベンスボルン リマスター。

ニンテンドースイッチ、XBOX Series X、XBOX ONE、PS4、PS5でまもなく公開としています。


ほかにもノルウェーのブースでは「スナフキン ムーミン谷のメロディー」や「フルーツバス」といったゲームが多数紹介されていました。

日本語のローカライズ対応もしっかりしている印象で、翻訳の読みにくさもなく快適にプレイできたため、もし足を運んだ際は試遊してみてはいかがでしょうか。

Norwegian Games at Tokyo Game Show 2023 / Norwegian Film Institute

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