サムスン「半導体製造に苦戦するのは労基順守」の影響、サービス残業まで発生する事態に


約3年前のSnapdragon 8 Gen 1に続き、最新モデルになるはずだった「Exynos 2500」でも低すぎる歩留まりがたびたび取りざたされ、半導体製造で苦戦していることがわかるSamsung。

しかし単純に技術力が足りないというだけでなく、同社は容易には解決できない事情を抱えていたようです。詳細は以下から。

朝鮮日報の報道によると、Samsungの半導体製造チームは納期を守ることが困難な状況に陥っているそうです。

Samsungは日本の労働基準法にあたる「勤労基準法」を順守し、1週間あたりの労働を最大52時間に制限していますが、この現行法が大きな足かせになっているとのこと。

また、競合のSKハイニクスなどと違い、Samsungの事業はメモリ半導体のみならずシステム半導体設計やファウンドリサービスにまで及んでいることも影響しているようです。

結果としてエンジニアは、納期が迫っているにもかかわらず帰宅せざるを得ないことが多々あり、勤怠を打たないサービス残業まで自主的に行っているのが現状とされています。

韓国では週52時間労働制の有効性をめぐる議論が再燃し、Samsungも現行法が障害になっていると考える一方、当然ながら社内からは「労働時間を増やしただけでは企業革新につながらない」とする意見も出るなど、一筋縄ではいかなさそうなこの問題。

台湾のTSMCに対抗すべく2nmプロセス半導体の開発・製造にも力を入れなければならないSamsungですが、早期に持ち直すことはできるのでしょうか。

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