長きにわたって自社設計、自社生産を貫いてきた独自プロセッサが岐路にさしかかっています。詳細は以下から。
◆品質面で厳しいExynosシリーズ
韓国メディア「the bell」の報道によると、モバイル向けプロセッサなどを手がけるSamsungのシステムLSI事業部が厳しい状況に追いやられているそうです。
これはGalaxyシリーズに搭載してきた主力プロセッサ「Exynos」が品質面でクアルコムの「Snapdragon」をはじめとした競合に引けを取っていることを受けたもの。
Galaxy S23がExynos 2300の採用を見送り、全数Snapdragon 8 Gen 2となったことは記憶に新しいですが、まもなくリリースされる「Galaxy S25」でもExynos 2500は採用されない見通しとされています。
◆最先端半導体の製造をTSMCに委託する可能性
なお、このような事態を招いた根底にあるのがSamsungの半導体製造能力。
同社は近年、最先端プロセスを用いた半導体の歩留まり(=良品率)や品質に問題を抱えており、高品質な半導体を安定して製造できるTSMCに水をあけられているのが現状です。
分かりやすいのがSamsungが製造を手がけたSnapdragon 8 Gen 1。高い発熱と消費電力によってスマホが本体期待された性能を発揮できないだけでなく、プロセッサ自体の不良品率は65%にもおよぶと報じられました。
このような製造技術に起因する問題を改善するため、Samsungは現在TSMCにExynosの製造委託を交渉しているとのこと。
ただし委託するのは最先端プロセスで製造されるハイエンド向けのみで、4nmより古いプロセスのミドルレンジ~エントリー向けは自社生産を続けるとされています。
もし実現すれば最先端半導体の自社製造を諦めた形になる今回の方針転換。必要に応じて製造先を切り替えることで、低い歩留まりによるコスト増や供給面の問題を避けられるのであれば、致し方ないことかもしれません。
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