NTTドコモが6月から開始する完全通話定額「カケホーダイ」に、auも対抗することが明らかになりました。
◆auがドコモ対抗プラン提供へ
auも定額制導入へ 国内通話、ドコモに対抗:朝日新聞デジタル
朝日新聞社の報道によると、KDDIは携帯や固定電話を問わず、いくら話しても定額になる新料金プランを導入する方針を固めたそうです。
気になる内容についてはNTTドコモのスマホ向けプランと同じ月額2700円程度で検討中。報道では「新料金で従来型の携帯から利益率の高いスマホへの移行を促し、他社への顧客流出にも歯止めをかけたい考え」とされており、スマホのみの提供となる可能性も浮上。
さらにデータ通信の料金メニューも拡充する方針で、ライトユーザー向けプランも提供されることが示唆されています。
◆KDDIやソフトバンクがカケホーダイ追従を渋る理由は?
なお、通話定額プランをめぐってはソフトバンクが今年1月に「VoLTE時代の革新的な新定額サービス」と銘打ち、5分以内の国内通話が最大1000回無料になるプランを発表。
同プランは4月初頭に1回の無料通話時間を最大10分に拡大し、「スマ放題」と名前を改められたものの、正式サービスを開始予定だった4月21日直前にドコモが「カケホーダイ」を発表したことを受けて無期限延期が決定しました。
かつて「24時間以内に対抗サービス発表」をうたい、決算発表会などで「ドコモに勝った」と高らかに宣言するソフトバンクが今なお対抗策を発表せず、auの出方をうかがうような様子すら見せていることに違和感がある人もいるかと思われますが、実はこれにはわけがあります。
それはひとえに携帯電話・固定電話のシェア。ユーザーが電話をかける際、携帯・固定電話各社は相手先の電話会社に「接続料」を支払わないといけませんが、固定電話で76%・携帯電話で45%のシェアを持つNTTの場合、接続料を支払う先の大半が自社グループで済む(=他社にお金が出ていかない)わけです。
まさにNTTグループが持つ圧倒的なシェアを武器にしたカケホーダイですが、一方でKDDIやソフトバンクが完全通話定額プランを導入した場合、多くのケースで主にNTTグループをはじめとする他社に接続料を吸い上げられてしまい、ドコモと同料金・同内容のプランでは採算が取れなくなる可能性も十分に考えられます。
つまりKDDIが通話定額の対象をスマホのみに限定する可能性がある背景には、「パケット定額プランに加入してもらわなければ採算が取れない」という、厳しい事情があるとみられるわけです。
しかし、ドコモがカケホーダイをはじめとした新プランの予約受付を開始したところ、10日間で120万人が申し込むなど、非常に好評であったことを考えると、各社に残された時間は決して多くないのが現状。ユーザーのドコモ回帰を防ぐために、各社がどのような手段に打って出るのかに注目が集まります。
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