ドコモとソフトバンクが新料金で激突、「カケホーダイ&パケあえる」「スマ放題」を徹底比較してみた



ソフトバンクが4月21日から「スマ放題」、NTTドコモが6月1日から「カケホーダイ&パケあえる」を提供することで、ようやく3社横並びから脱することになる料金プラン。

しかし個性を出すあまり、各社で大きく内容が異なり、一見して分かりづらくなっているわけですが、その内容を比較してみました。

◆各社プランの特徴は?
まずは携帯各社が提供する新料金プランをざっくりと説明。今まで同様、基本プランとパケット定額を組み合わせる形ですが、各社とも大きく異なります。

・NTTドコモ「カケホーダイ&パケあえる」
基本プラン:国内通話完全定額の基本プラン「カケホーダイ」がメイン


パケット定額:用途に応じて7種類が展開。シェアオプション料(子回線ごとに500円)を支払えばパケットを分け合えるほか、25歳以下のユーザーは「U25応援割」として1GBの通信量ボーナス。


・ソフトバンク「スマ放題」
基本プラン:ソフトバンク宛の国内通話が1~21時まで無料


パケット定額:無料通話を組み合わせたS・M・Lパックの3種類


◆各利用シーンで実際にかかる費用を想定してみた
さっそく「独身者」「家族」のパターンで、2年契約時のスマホ月額料金(税抜、キャンペーン料金除く)を算出してみました。

月間通信量はライトユーザーが2GB、ミドルユーザーは5GB、ヘビーユーザーは10GBと仮定。家族については両親がライトユーザー、子どもは「U25応援割(1人あたり1GB通信量ボーナス)」適用対象のミドルユーザーを想定しています。

・独身者(ライトユーザー、2GB)
NTTドコモ:「カケホーダイ」+「データSパック」+「spモード」=6500円
ソフトバンク:「専用基本使用料」+「Sパック」+「S!ベーシックパック」=7260円

・独身者(ミドルユーザー、5GB)
NTTドコモ:「カケホーダイ」+「データMパック」+「spモード」=8000円
ソフトバンク:「専用基本使用料」+「Mパック」+「S!ベーシックパック」=8260円

・独身者(ヘビーユーザー、10GB)
NTTドコモ:「カケホーダイ」+「シェアパック10」+「spモード」=1万2500円
ソフトバンク:「専用基本使用料」+「Sパック」+「S!ベーシックパック」=1万1260円

・3人家族(両親と子ども1人、9GB→通信量ボーナスを差し引いて8GB)
NTTドコモ:「カケホーダイ」×3+「シェアパック10」+「spモード」×3+「シェアオプション」×2-「U25応援割」=1万9000円
ソフトバンク:「専用基本使用料」×3+「Mパック」+「Sパック」×2+「S!ベーシックパック」×3=2万2780円

・4人家族(両親と子ども2人、12GB→通信量ボーナスを差し引いて10GB)
NTTドコモ:「カケホーダイ」×4+「シェアパック10」+「spモード」×4+「シェアオプション」×3-「U25応援割」×2=2万2000円
ソフトバンク:「専用基本使用料」×4+「Mパック」×2+「Sパック」×2+「S!ベーシックパック」×4=3万1040円

◆家族に強いドコモの新プラン、ポッキリ料金の安心感や長期割引も
このように家族にライトユーザーや25歳以下の子どもがいる場合、パケットシェアが大きく効果を発揮するドコモの新プラン。利用する通信量次第ではあるものの、多くのケースでソフトバンクより割安になるのがポイントです。

また、音声通話が完全定額であるため、5分ないし10分を超えると30秒20円が課金されるソフトバンクの制限付き定額と異なり、通話時間次第で追加料金が発生することもなく、「ポッキリ料金」で済ませられるという安心感もある上、契約年数に応じてパケット代が割り引かれます


◆パケット超過時も安心のドコモ
そしてもう一つ大きなポイントが、契約したパケット定額プランの通信量をオーバーした際の追加課金。

ドコモは通常契約では128kbpsに減速される代わりに追加料金が発生しない「リミットモード」が適用されるのに対し、ソフトバンクは月額300円の「あんしん料金オプション」を別途契約しない限り、グラフのように青天井で課金されます。


また、通信量をオーバーしても速度制限がかからない「スピードモード」はドコモでも提供。しかし追加で利用するデータ量をあらかじめ設定できるため、際限なく課金されるといった心配はありません。


◆ソフトバンクは独身のヘビーユーザーに強み
このように不慮の追加料金が発生するケースが少なく、安心できるドコモの新プランですが、一方でソフトバンクの「スマ放題」の強みはパケット定額プランで利用できるデータ通信量の多さ。

ドコモは今回、新プラン導入にあたり、個人向けデータ通信プランの上限を「データMパック(5GB)」にとどめ、今まで月間7GBいっぱいまで通信していたユーザーに対し、1GBあたり1000円の追加料金を支払うか、月額9500円の「シェアパック10」への加入を促しています。

しかしソフトバンクはドコモの「カケホーダイ」「データMパック」とほぼ同じ料金の「Mパック」で月間7GB通信できるほか、「Lパック」に至っては「あんしん料金オプション」を付けてもドコモより安い計算に。

つまり家族であればドコモに大きなアドバンテージがあるものの、独身者であれば、通話とパケット通信量のどちらを優先するかで、ドコモかソフトバンクかを選ぶ余地がまだあると言えるわけです。

ドコモが先陣を切って長期契約者のパケット割引に踏み切ったことや、今後KDDI(au)が発表するであろう新料金プラン次第で、まだまだ変動する可能性があるため、しばらく各社の新料金プランから目が離せそうにありません。

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