23年ぶりの新作「リアリティのダンス」を公開したホドロフスキー監督が新作の制作資金をKickstarterで募っています。詳細は以下から。
1970年に「エル・トポ」、73年には「ホーリー・マウンテン」という伝説的なカルト・ムービーを夜に送り出し、伝説となったアレハンドロ・ホドロフスキー監督。上記2作はジョン・レノンが心酔して配給権を45万ドルで買い取ったという伝説も残ります。
1990年の日本未公開作「The Rainbow Thief」を最後に映画製作からは遠ざかっていましたが、2013年に23年ぶりとなる新作「リアリティのダンス」を公開し、世界中のファンを熱狂させました。
「リアリティのダンス」は同名の自伝の前半部分をもとにホドロフスキー監督自身の少年期の体験を描き上げた、いわば私小説的な内容の作品。そして今回の「エンドレス・ポエトリー」はその自伝の後半部分がもとになっています。
ホドロフスキー監督はこの映画をクラウド・ファンディングサイトKickstarterでの投資によって作成することにしており、期限の3月22日まで12日を残して目標金額35万ドル(約4250万円)の93%に当たる328000ドルを集めています。今回敢えてクラウド・ファンディングを用いた理由については以下のように説明されています。
ホドロフスキーはこう語っています。「どんな映画を作りたいかではなく、表現する必要があるということの方が重要だ。何かを表現する必要があるときに、私は映画を作る。出資者や映画産業や商業的なことは考えない。私は表現しなければいけないのだ」
キックスターターでクラウド・ファンディングによる製作資金の調達を行なう理由は、ホドロフスキーが考える映画製作を実現させるために、彼の映画を理解する世界中のマイクロ・プロデューサーのサポートが必要だからです。
「リアリティのダンス」でも比類なきホドロフスキーワールドを体験させてくれましたが、今回も非常に楽しみなこととなっています。
なお、募金20ドルで本編ストリーミング視聴が可能となり、50ドル以上で本編ダウンロードの特典がつきます。111ドルから映画のエンドクレジットに名前が掲載されるので、ファンはここを狙ってみても良さそうです。
また、ホドロフスキーの「世の中のすべてのお金は詩に換えられるべきだ」という考えから、募金は同額の「ポエティックマネー」(DINERO POETICO)に両替して変換されます。このポエティックマネーは「物質とは交換できません。唯一、交換できるのは、世界に存在する詩です」という意欲的なコンセプトになっています。
寄付は以下から可能。映画のあらすじやホドロフスキー監督からのメッセージなど、このページだけでも盛り沢山な内容となっています。
アレハンドロ・ホドロフスキーの新作『エンドレス・ポエトリー』 - キックスターター日本語ページ
無事に資金調達できた場合、今年の7月から8月にかけてチリのサンティアゴで撮影を行い、2016年2月末に完成する予定とのこと。見てみたい人はぜひ募金をしてみてください。
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