普段の京都をちょっとだけ離れた城南宮には芳しい梅が咲き誇っていました。詳細は以下から。
京都で梅の花といえば、BUZZAP!取材班も以前訪れた北野天満宮が有名です。しかし、京都の南にも美しい梅を愛でることのできるスポットが存在しているのです。
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今回訪れた城南宮は平安遷都の際に京都の南に創建された1200年以上の歴史を持つ神社で、「方除(ほうよけ)の大社」として広く知られています。方除とは知らずに悪い方に旅することや家の間取りが悪いことなど、方位による障りや家相の心配を除くように祈願すること。現在は建物の工事や引っ越し、通勤・通学・営業・旅行に伴う方除の祈願に全国から参る人が多いとのことです。
歴史的には平安後期に白河上皇や鳥羽上皇らが城南離宮(鳥羽離宮)を造営して院政の拠点とした事から栄え、熊野詣の際などには方違えの宿所としても用いられるようになりました。時代は下がり、明治維新の鳥羽伏見の戦いは、この地に置かれた薩摩藩の大砲の轟きから始まったともされています。
そんな城南宮には源氏物語に登場する植物など100種類以上が植栽された5つの神苑は「源氏物語 花の庭」とも呼ばれています。そして、特にしだれ梅や椿が有名なことから毎年2月中旬から3月中旬まで「しだれ梅と椿まつり」が開催されているのです。今年は2月18日から3月22日まで。
しだれ梅と椿まつり _ 城南宮
BUZZAP!取材班は京都市営地下鉄の烏丸線竹田駅から城南宮に向かうことに。なお、自動車では名神高速道路の京都南ICや阪神高速8号京都線の城南宮南出入口などが最寄りで、城南宮にも駐車場はありますが、この季節は混雑するので注意が必要です。
城南宮までは徒歩で20分弱。この季節の散歩にはちょうどいい距離です。そして向かう途中に見所も存在しています。
静かな住宅街の中を歩いて行くと、安楽寿院が見えてきます。
ひっそりと白梅が咲いていました。
この辺りには鳥羽天皇陵、近衛天皇陵、白河天皇陵なども存在しています。現在修復中ですが、こちらの近衛天皇陵の多宝塔は一見の価値あり。歴代天皇の御陵に残る塔としては唯一現存しているものだということ。
そこから少し歩いた油小路通と新城南宮道の交差点には白河天皇陵。広い街道の前にひっそりとしています。
ここまでくればもう少し。京都南ICが近いせいか、辺りはラブホテル街でもあります。なかなかに派手で個性的なものも。
東側の鳥居です。東西に駐車場があるため、この辺りの車道はかなりの混雑なので歩いて行く時は注意が必要。
城南宮の敷地内にある唐渡天満宮。小さなお宮ですが、こちらは無料で梅の花を楽しめます。
この日は植木市も開かれていました。春を感じますね。
このすぐ西隣の城南鳥居をくぐり、左手側から神苑に入ります。拝観料は大人600円、小中学生は400円となっています。混んでいる時もありますが、チケットを買うだけなので「ここは」意外とスムーズ。
入ってすぐのところにあるのが「春の山」。この「しだれ梅と椿まつり」のメインの見所です。150本のしだれ梅がほぼ満開の状態。
週末であったため、ここは訪れた観光客で大渋滞でした。
それでも長く寒い京都の冬を終え、春の先触れを楽しむ人々の顔は歓びに満ちています。芳しい梅の花の香りに包まれていると、人混みもそこまで気にならないのはこの季節ならではでしょうか。
たっぷり堪能して進むと「落ち椿」を楽しめる場所が。奥には満開の梅、そして緑の苔の上にぽつりぽつりと落ちている目の覚めるような椿。なんというかもう、Instagramユーザーにはこの上ないヴィジュアルです。腰を落とし、舐めるような低位置から撮影している人も多かったですね。いえ、これが楽しいんですが。
神苑内には椿の花もあちこちで見られます。冬の花と思いがちですが、梅との共演もまた風流なもの。
梅の花は最初の「春の山」に多く見られますが、その先のお庭もじっくり楽しめます。こちらは「平安の庭」で、季節によっては青紅葉が見られます。はいそこ、椿の花がわざとらしいとか言わない!
そこから参道を越えて南に入り「城南離宮の庭」「桃山の庭」「室町の庭」と呼ばれる3つのお庭を巡ります。境目がちょっと分かりにくいですが…。錦鯉の泳ぐ池、紅白の梅などが美しく、人混みも落ち着いているのでゆっくり歩けます。
圧巻だったのがこちらの松。じっと見入ってしまうような見事な枝振りです。
思わず有名スポットにばかり足を向けがちな京都ですが、ちょっと見回すとこのような素敵な場所があるのも京都ならではの魅力。単に花が綺麗というだけでなく、平安時代の院政から明治維新の戦まで歴史が祖に密に関わってきているところがやはり都ならではといったところでしょうか。
城南宮 _ 京都の南、方除け ・厄除けの祈祷、車のお祓いの神社。巫女が神楽を舞い、庭園は花と紅葉の名所です
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