ダメと言われるとイマジネーションは膨れあがってしまうようです。詳細は以下から。
人間という存在と深く密接に関わる性行動。セクシャリティは多様で性欲の強さも個々人で大きく違うとはいえ、大人になってゆく過程の中で多くの人は何らかの性的な考えや衝動を抱いてきたことでしょう。
ですがある種の社会では文化や宗教などによって性的な事を考えるのは良くないことだとされ、抑圧や禁止の対象となったりもします。
この研究を行ったイスラエルのBeit Berl大学のYaniv Efratiさんも宗教的なコミュニティの中で生まれ育ち、宗教的な人間であると自認している人物です。
Efratiさんはイスラエルの敬虔なユダヤ教徒の10代と世俗的な10代を比較した研究をジャーナル「The Journal of Sex Research」に掲載しました。
661人の10代を対象とした最初の調査では、宗教的な若者は世俗的な若者よりも望まない性的な考えや想像に広く取り付かれていることが分かりました。
また522人の10代を対象とした2番目の実験では、宗教的な若者はより幸福状態が低いことが分かりましたが、これは望まない性的な考えに取り付かれていることとリンクしていました。
そして317人の若者を対象とした3番目の実験では、宗教的な若者は性的な考えや空想をより抑圧しがちで、それが強迫的な性行動や低い幸福度の自己申告が多いことと関係している事が分かりました。
Efratiさんは宗教的な社会が性的なものごとについて議論を深め、若者に小学生の頃から正しい形で教育を行う事が、そうした強迫的な性行動の強まりを止める事になると指摘します。
Efratiさんはこの研究や大人の強迫的な性行動から、子供の自慰行為やポルノの視聴といった性行動が強迫的な性行動に両親の態度が大きな影響を与えると考えます。性的なことを「汚い行為」や「禁じられている」事だと教えることは単に強迫的な性行動を強めることにしかならないとのこと。
この研究がイスラエルという極めて宗教的な国の話として行われている事から、日本人とは関係ないような気もしてしまいますが、そう考えるのは早とちりです。
2018年の3月、東京都足立区の区立中学校で行われた性教育の授業で「避妊」「性交」など、学習指導要領には示されていない文言が盛り込まれていた事は不適切だとして、自民党の古賀俊昭都議が都議会で質問したのです。
これを受けた都教育委員会は、関係者への調査・指導を進めるという答弁を行い、今後足立区教委に対して指導に入る予定でいるとのこと。
これ以前でも2003年に都立七生養護学校が知的障害を持つ児童に対する独自に開発された性教育プログラムを都議会議員で民主党(後に除名)の土屋敬之、自民党の古賀俊昭と田代博嗣ら3人が産経新聞と共に「視察」して暴言を吐き、教育基本法第10条が禁じた「教育に対する不当な支配」として210万円の罰金を命じられています。
また、この事件をきっかけに自民党は2005年1月、安倍晋三幹事長代理(当時)を座長、山谷えり子議員を事務局長とする「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」を発足させています。
ということで日本は宗教的ではないにせよ(ある意味宗教的とも言えるのかもしれませんが)、若者を性的な知識から遠ざけようとする「空気」は近年少なからず強まっています。
そうした現状が若者の性行動に関する状況にどのような影響を与えるのか、事情は違えど参考にすべきところは少なくありません。
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