無理筋の極みとしか思えませんが、そこまでやってくれるなら挑まないわけにはいきません。詳細は以下から。
栃木県民が幼少期から慣れ親しんで育つ「レモン牛乳」。気がつけばそのインパクトから、宇都宮餃子、佐野ラーメンと共に栃木県の名産品として知名度は全国に及ぶようになりました。
そんなレモン牛乳がなんとカレーになってしまったのです。レモンと牛乳という組み合わせだけでも悪魔合体扱いされていたのですが、そこによりによってカレーです。つまりはご飯に掛けて食うのです。
いったいどんなことになってしまっているのか、レモン牛乳の風味とカレーの風味の対決の行方はいかに…。そうなったらもう自分で食べてみるしかありません。怖いもの食べたさを越えた、歪んだ異空間に踏み込むような不安と少しの期待を胸に、実食、開始です。
まず、正式名称は「関東・栃木レモン牛乳カレー」です。この名称については以前の記事で詳報しましたのでそちらをご覧下さい。パッケージは栃木県民には慣れ親しんだあのレモン牛乳を踏襲したもの。
背面には調理法などに加えてレモン牛乳の歴史を知ることができる「レモン牛乳物語」も記載されています。この物語に嘘偽りはないのですが、じゃあそれをなぜカレーにしたのかという核心部分は書かれていません。これでは小一時間問い詰めたくもなります。
原材料名を見てみると、東日本の主流であるポークカレーである事が分かります。乳飲料というのはレモン牛乳のことでしょう。リンゴピューレ、砂糖、ジンジャーペースト、リンゴ酢、チャツネ辺りを見ると、いわゆる激辛系ではない事の想像が付きます。
内袋は非常にシンプル。すがすがしくて好感度がアップします。
ぐつぐつと5分間茹でます。ご飯さえあれば誰でも作れるという意味ではまさに清く正しいレトルトカレー。後は味の問題ということになります。
たっぷりご飯に掛けてみました。色合いが確かにレモン牛乳を思わせるほんのりと黄色み掛かった白色系です。小さめの豚肉のブロックがコロコロと入っています。そして香りは…確かにレモン牛乳の存在を感じます。感じるのです!
実食してみると、口の上に広がる風味はこれまで食べたことのない何かです。少なくとも目をつぶっていてこれをカレーだと即座に認識できる人は少ないでしょう。甘みとフルーティなコクがありながら、マサラやスパイスの風味は前に出てきません。
「フィンランドのラップランド地方で昔から食べられている伝統的な煮込み料理だ」と説明されたら、初めて食べる斬新な味わいに戸惑いつつも信じてしまいそうな味だと言えば少しは分かっていただけるでしょうか?
食べたことがなく風変わりに感じるけれど、独特の哲学と歴史を感じさせ、新しい美味しさを発見させてくれる食の体験、というのが筆者の結論です。
それでいて味覚でも確かにレモン牛乳が「そこにいる」ことが微かながらもはっきりと分かるのです。この斬新すぎる風味の中で識別できるというのは実は容易なことではないはずですので、開発者の熱意と技術が確固として存在している事も伺い知れるひと皿となっています。
基本的に栃木限定の商品ですが、カレーランドでも購入が可能です。
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