「バリカタ?何それ?」なゆるふわ手打ち平麺がたまらない、佐野ラーメン「万里」を味わってきました


ラーメンの麺は固めがよい?そんな常識の真逆を突っ走る素敵なラーメンが栃木県には存在していました。

いつの日からか「バリカタ」「ハリガネ」「コナオトシ」「ユゲトオシ」などなど、ラーメンを食べる時に麺を固めにしてもらうのがラヲタの身嗜みというような謎の空気感が日本のラーメン界を覆い尽くすようになってしまいました。

しかし、今も手打ちが主流の栃木県の誇る自慢のご当地ラーメンである「佐野ラーメン」にはそんな常識は通用しないのです。ゆるふわな麺があっさりとしたスープと調和するこの味は何の真逆を行こうとも決して揺らぐことはないでしょう。

佐野は都心からの公共交通機関でのアクセスがあまりよろしくなく、簡単にふらりと訪れるにはちょっと遠い県西部に位置しています。そして重要なことですが「宇都宮や日光、那須などの観光地では正真正銘の佐野ラーメンを食べることはできない」と言ってもよいレベルにローカルな味覚なのです。

であれば、やはり実際に訪れてみるしかありません。とはいえ、佐野にはなんと200店も佐野ラーメンを出すお店が存在しています。まさに地元のソウルフード。そんな中からリサーチの上でようやく選んだのが「万里」。各ランキングでも四天王のひとつとして数えられる名店です。

東北自動車道の佐野藤岡インターから国道50号を西へ向かい、県道9号を500mほど北上した角に「万里」は店を構えています。ぱっと見は田舎のラーメン屋さんですが、そこは地元密着の佐野ラーメンならではということ。この日はゲリラ豪雨が降っていましたが、それでも駐車場はあらかた埋まっていました。

緩い感じののれんを潜って店内へ。ひなびた感じが素敵です。

店内には某アイドルのポスターや色紙、読売ジャイアンツのユニホームなどが飾られています。お客さんはやはり地元の方が多く、栃木のイントネーションを感じます。

オーダーしたのはこちらの「手打ちラーメン(640円)」。ご覧のように、ネギとチャーシューとシナチクのみという極めてシンプルな具です。

スープは系統で言えばあっさりとした醤油味。動物系の出汁がしっかりと効いていながらも、くどくなり過ぎず、それでいて北関東らしく醤油の味はしっかり出ています。人によっては若干醤油が強すぎると感じるかもしれませんが、これは土地の特色とも言えるかも。

そして何と言っても麺です。きしめんを思わせる不揃いな手打ちの平麺はつるっとして強いコシがありつつも、驚くようなゆるふわ感があり、スープにしっかりと絡みます。麺は固めという人にはかなり衝撃的な食感ではないでしょうか?しかしこれが美味いのです。

付け合わせに頂いた「餃子(400円)」は小ぶりで主張しすぎず、ラーメンのお供にぴったりでした。

ということで、いわゆる流行りのラーメンを食べ慣れている人にはこのシンプルながらも定着した味わいは珍しく感じられるかもしれません。だからこそ地元の人が老若男女問わずにずっと食べ続けているのだろうと思わされました。


佐野ラーメンの入り口に立っただけですが、その奥深さを垣間見せられた気がします。あちこち食べ歩きしてみるのも面白そうです。

手打ちラーメン 万里
住所:栃木県佐野市高萩町437-7
営業時間:11:00~18:00(売り切れまで)
定休日:水曜日
住所

万里 (ばんり) - 佐野市_ラーメン [食べログ]


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