もう餃子だけとは言わせない、栃木県宇都宮市の「味噌ラーメン」がアツいことになっている



日本全国で知らぬ人はいない「餃子の都」宇都宮。しかし密かに味噌ラーメンがアツいことになってきています。詳細は以下から。

B級グルメやご当地グルメといった言葉が生まれるより遙か以前から「餃子の都」として知られてきた栃木県の県庁所在地、宇都宮市。駅前の餃子の女神像は観光客らの必須スポットとして人気を博し、有名店に長い行列ができるのも日常風景となりました。

「餃子はラーメンの付け合わせだろ?」と馬鹿にされてきた昔から「水餃子をおかずに焼餃子を食べる」事を不思議にすら思わなかった宇都宮市民(通称「宮っ子」)ですが、いつしか気がつけば美味しい味噌ラーメンの文化がじっくりと広まっていたのです。

今回まず訪れたのは栃木県庁から徒歩圏内にある熟成田舎味噌らーめん 幸麺 (コウメン)さん。車通りの少ない住宅地の中にありますが、お店はかなり大きめで2階席まである模様。


平日のランチタイムに訪れたため、県庁の職員さんも多いのでしょうか、クールビズ姿のサラリーマンとおぼしきグループが少なくありませんでした。


店内に飾られている色紙には、アジアリーグアイスホッケーに加盟する日本で唯一のプロアイスホッケークラブ、H.C.栃木日光アイスバックスの選手がずらりと並びます。


メニューのバリエーションはかなり豊富。目移りしてしまいますが…。


ここは店名にもなっているイチオシの「熟成田舎味噌」をつかった味噌ラーメン(800円)をオーダーしてみました。ランチメニューの「半チャーハン」のセットにして980円でした。


やはり味噌に大きなこだわりがあり、客席にはこうしたパネルが。「コレステロールを下げます!」「胃を守ります!」「老化防止につながります!」「二日酔いに効く!」「たばこを吸う人にいい!」と全力の味噌推しです。


メニューの裏側でもこのように味噌推し。栃木県産田舎味噌を使用しているとのことです。期待が高まります。


なおここは夜は飲めるお店でもあり、餃子を始めとした一品料理も揃っています。〆ラーメンの約束された飲み屋という発想はとても素晴らしいもの。


だからなのかお水がジョッキで提供されます。この日は暑かったのでとても助かりました。


やってきたのがこの大どんぶりでの味噌ラーメン。比較対象がなくて分かりにくいのですが、かなりのボリュームです。そして味噌のいい香りを漂わせるスープもなみなみと注がれています。


お味なのですが、こっくりと濃厚でほんのりと甘みのある、動物系の出汁のパンチの効いた、それでいて優しい味わいです。味噌自体の味の素朴さを殺すことなく、飽きずにいつまでも食べ続けられてしまいます。


似た味をいつかどこかで…と考えていたのですが、石川県民のソウルフードである「とり野菜みそ」を食べた時の感触に似た方向性を感じます。優しい甘みと味噌の香りの膨らみ。この辛麺が人気の行列点である理由が分かった気がします。

なお、半チャーハンもパラパラとして美味。合わせて食べて大満足でした。


さて、定番とされるお店を訪れた後はとても珍しい味噌ラーメンを提供しているお店に足を運んでみました。それが麺 藏藏(ZAZA)さん。立地は宇都宮駅から国道123号線を東に10km。鬼怒川を越えて清原工業団地の目と鼻の先という、宇都宮市内から見てもかなり遠方です。

このようななんとものどかな郊外の住宅地の裏道に「藏藏」は位置しています。


お昼前に到着しましたが、既に第一駐車場はこのとおりいっぱいです。


何とも洒落た店構えです。



幸運にも並ばずに入店できました。店内もオシャレなカフェかイタリアンレストランを思わせる内装。



メニューもしゅっとしています。今回オーダーするのは左下の「バジルdeグリーン味噌」(890円)のチーズプラス(130円)にこく旨玉子(130円)をトッピングです。


そしてオーダーからほどなくして着丼。見て下さいこのヴィジュアル。もはや言われなければラーメンと認識できないレベルのオシャレな洋風のひと皿となっています。味噌とバジル、チーズの香りが渾然一体となり、食欲をそそります。


お味なのですが、まさか味噌がバジルとチーズにここまでマッチするとは夢にも思っていませんでした。完全に洋風の味わいなのですが、味噌の風味がまったく違和感なく溶け合い、経験したことのない味を体験することになります。


味噌ラーメンの概念を打ち破るどころか、ラーメンという概念すら飛び越えた間のある極めてスペシャルな逸品と言えるでしょう。こうした斬新さは保守的なラヲタ諸氏からは奇をてらっているように見られがちかもしれませんが、ラーメンの将来像の広がりすら確信させてくれるしっかりとした味わいです。

なお、味変にはハバネロソースも。ピリッとした辛さが加わるとまた印象がガラリと変わります。


ということで、王道と革新の2タイプの味噌ラーメンを食しましたが、宇都宮というこの街でここまで味噌ラーメンの奥深さと幅広さを堪能できるとは正直思っていませんでした。

宇都宮が永遠なる「餃子の都」であるという称号は誰にも消すことはできませんが、そこに味噌ラーメンのメッカという新たな称号が加わる日も遠いことではなさそうです。

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