「ステーション・バー」を含む全体の数ページのみが切り取られてツイッター上で拡散した『定額制夫の「こづかい万歳」』の第9話。全体を読むと「切り取り」されたものとはまったく違うものであることが分かります。詳細は以下から。
ツイッター上である日、サラリーマンの男性による「ステーション・バー」という酒の飲み方を紹介した漫画の数ページが否定的なコメントと共に拡散されました。
駅の人気のないくぼみで、売店で購入した酒とつまみを楽しみながら人間観察をするという、なんとも質素である意味「貧乏くさい」飲み方に大きな衝撃が走りました。
ツイッター上では「日本人はこんなに貧しくなったのか…」「サラリーマンが居酒屋にも行けない時代」などと、現在の日本人の家計の苦しさや貧困問題と絡めた感想が駆け巡っていました。
この拡散された作品は講談社の週刊モーニングに掲載されている吉本浩二さんの「定額制夫の「こづかい万歳」 ~月額2万千円の金欠ライフ~」の第9話。
全国の「おこづかい生活」を営むすべての「定額制夫(ていがくせいおっと)」に贈る吉本浩二流「おこづかい漫画」
という紹介文からも分かりますが、月額2万千円でやりくりする本人を中心に展開される、いじましさに溢れるストーリー。絵柄も相まって、確かに家計の苦しさや貧困問題と絡めて考えたくもなってしまいます。
でも本当にステーション・バーはその文脈で登場したものなのでしょうか?現在「コミックDAYS」ではその第9話が無料配信となっています。
『定額制夫の「こづかい万歳」 』第9話 (ステーション・バーの回)、ただいまこちらから無料で読めます!彼の勇姿をご堪能下さい。
— 吉本浩二こづかい万歳①発売中! (@yoshimotokoji) July 23, 2020
また、第①巻発売しました!
連休のお供にいかがでしょうか?https://t.co/78RSSexh7Q
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ステーション・バーを実行しているのは吉本浩二さんの幼なじみとされる男性。幼少時代を振り返りながら「制限されているからこそ喜びが大きい」と語ります。
これ以上はぜひとも本編で読んでいただきたいのですが、この男性は決して貧困層ではありません。「元々のこづかいはいくらだったのか」「なぜ今そのこづかいの額になったのか」「ステーション・バーを語るこの男性はなぜこんなに楽しそうなのか」に注目です。
そして最後の数ページで語られる吉本浩二さんに絡むエピソードには思わずぐっと来てしまいます。めちゃくちゃいい幼なじみですね。
今この漫画から得られる教訓は、漫画自体が示してくれるものに加えて「一部だけを切り取ったもので全体を論じることは極めて危険である」ということではないでしょうか。
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