「携帯電話値下げの旗振り役がまともな判断をできない」という、地獄のような展開です。詳細は以下から。
◆au新プランが「非常に紛らわしい」?
産経新聞社の報道によると、武田良太総務大臣が本日行われた会見において、月間20GB使えて月額2480円のau新プラン「povo(ポヴォ)on au」について「非常に紛らわしい発表だった」と不快感をあらわにしたそうです。
これはpovo on auが競合する「ahamo」「SoftBank on LINE」と違って5分間通話定額が月額500円のオプション扱いとなっているため。
武田大臣は「国民に対してあたかも一番安いと思わせるやり方。非常に残念だ」「最安値といいながら他社と結局同じ値段だ。無用なトラブルがおきないよう、もっと分かりやすいやりかたを考えていただきたい」とコメントしています。
◆音声通話定額を抱き合わせた側の肩を総務大臣が持つ矛盾
音声通話をほとんど利用しないユーザーのために、通話定額をオプション扱いとして最低料金を引き下げたauに不快感が示されるという、なんとも理不尽な武田大臣の発言。
データ通信メインのユーザーが大手3社で最も安く使えるのは事実な上、「そもそも5分間通話定額を抱き合わせ、必要ないユーザーにまで支払わせるドコモやソフトバンクが問題」という考えにならないことに驚かざるを得ません。
実際のところドコモやソフトバンクも24時間通話定額はオプション扱い。不完全ながらも「必要に応じて通話定額オプションを選べる」点はauと同じで、auだけ「非常に残念」「紛らわしい」などと攻撃されるのもおかしな話です。
ahamo:月額2980円(5分通話定額強制、24時間通話定額は+1000円)
povo on au:月額2480円(5分通話定額は+500円、24時間通話定額は+1500円)
SoftBank on LINE:月額2980円(5分通話定額強制、24時間通話定額は+1000円)
「5分間通話定額を抱き合わせているドコモやソフトバンクの肩を持つ」という、本当に消費者の立場に立って物事を話しているとは思えない武田大臣の発言。
携帯各社の20GBプランはそもそもリテラシーの高い層に向けたオンライン専用プランのため、消費者が内容を理解できないとも思えず、異議を唱える武田大臣自身のリテラシーが低いのではないか……という気がしてなりません。
ちなみにドコモの完全子会社化を認めた日本政府はNTTの大株主。武田大臣の発言はNTTを勝たせたい「親方日の丸」的な発想に基づいたポジショントークでないかとすら疑ってしまいたくなります。
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