ハラル認証でイスラム教徒も飲める、世界初のノンアルコールウィスキー「Arkay」


ノンアルコール飲料の新しい一幕が始まりました。日本でもノンアルコールビールは山ほど出ていますが、今度はスコッチのノンアルコール版「ArKay」が登場しました。飲酒運転を気にするドライバーも、宗教的戒律でお酒の飲めない人も楽しめるというのが売りです。



World's first 'halal whisky' made without alcohol goes on sale in time for party season | Mail Online:

今回ArKayを開発したのはフロリダのArKay Beverages社。パナマに工場を持ち、添加物や香料も使っているということで、ノンアルコールかどうか以前に本物のスコッチとは比べ物にならないことは言うまでもありません。

もちろん日本でもノンアルコールビールは「本物のビールじゃないけど雰囲気を楽しむもの」という認識が大きいのでこの当たりが大きなマイナス要因になるものではありません。メーカー側も「飲酒運転を気にせずにパーティの席で楽しむため」という売り出し方を行っています。

ただ、このArKayで一番重要なのは「ハラル認証」されている商品だということ。つまりは10億人を越えるイスラム教徒が市場として視野に入れられているということです。

ハラル認証とは、イスラム教徒が宗教的な意味合いで口にしていい食品や医薬品などに対して与えられる認証で、現在はイスラム圏の発展を見越して「ハラル・ビジネス」と言う言葉が生まれており、イスラム諸国に対して輸出を考える各国企業にとっては生命線となるものです。

イスラム教徒であってもトルコ人のようにお酒をたしなむ人々も存在していますが、大多数は全く飲みません。今回このノンアルコールウィスキーという微妙な立ち位置の商品がハラル認定を受けてイスラム社会で愛好されることになれば、全く新しいマーケットの開拓ということになるでしょう。

つまりは、これはノンアルコールのビールやチューハイを製造している日本にとっても大きなビジネスチャンスとも言えます。飲酒運転の厳罰化が進むと同時に若い人がお酒を飲まなくなったと言われている日本、アルコール飲料を製造している各社はこのピンチを新たなビジネスチャンスに変えることができるでしょうか。

12月1日に販売開始となっておりますが、12月12日現在ArKay Beverages社のHP経由での日本からの購入は未だ「準備中」のステータスですので注意。