京都では大小様々なフリーマーケットが毎週のように開催されています。種類もオリジナル品のみを扱う手づくり市からアンティークメインの骨董市、不用品を放出するリサイクル市まで様々。その中でも老舗で最大規模を誇る「百万遍さんの手づくり市」に出店する人たちが集まる夜明け前から終了までの様子をレポートします。
手づくり市ホームページ|京都:百万遍さんの「手づくり市」、梅小路公園「一木手づくり市」の情報をお届けします。
京都は神社、仏閣のイメージがやはり強いのですが、昔からアートやものづくりを行う人々の集う街でもありました。古い歴史を持つ国宝や重要文化財、そして数多く存在する大学や美大、新旧様々な要素が今の京都の文化を形作っています。
今回訪れた「百万遍さんの手づくり市」は京都市左京区の百万遍知恩寺境内で毎月15日に行われている手づくり作品専門の市、いわばアートマーケット。リサイクル品や骨董品は出品できず、あくまで自ら創り上げた作品のみを扱っています。
内容は自作のアクセサリーや家具、小物、衣類、イラスト、CDなどからパンやお菓子、育てた野菜やキノコまでバリエーションは様々。テイストも京都らしい和柄を始め、出店者それぞれのセンスが存分に反映されています。
この手づくり市が始まったのは1987年。最初は出店者も数店舗しかなかったとのことですが、毎月欠かさず続けるうちに出店数も増えて京都市民にも認知されるようになり、2003年には現在のような事前申込み抽選制になりました。もともと京都には東寺の弘法さん、北野天満宮の天神さんなどの社寺での定期市が開かれていたため、京都にはこのようなフリーマーケットを受け入れる素地があったと言えます。
当日は朝6時から出店者たちの場所取りが開始。まだ真っ暗なうちに現場に到着しましたが、既に辺りには大勢の出店者がスタンバイしていました。2月半ばの京都なので、雪こそ積もっていないものの底冷えで震える程の寒さ。
明るくなる頃にはどのお店も大体設営がしっかり終わっています。今年で25年目を迎えるこの手づくり市、出店者には10年選手もざら。手際の良さはさすがです。ぬかるみも管理側でしっかりブルーシートで対策してくれるなど慣れたもの。基本的に荒天でなければ雨でも雪でも開催です。
8時頃から気がつけばお客さんがぞろぞろと歩き始めます。どんより曇った寒い冬の日、しかも平日なのにです。
人気の常連店には常に行列が。お菓子やパンなどではお昼すぎに売り切れてしまうお店も。
お客さんは近所の学生(開催場所は京都大学の目の前)から市内の主婦、大阪や滋賀から来たというグループ、外国人観光客まで多彩です。お客さんと話してみると、ガイドブックなどで知ったという観光客もいれば、時間があれば毎月足を運ぶという常連さんも多数。馴染みのお店で出店者と話し込んでいる姿もしばしば見られます。このような会話はフリーマーケットの大きな楽しみのひとつですが、京都では出店者もお客さんもそれを楽しむ文化が十分に根付いていると感じました。
正面入口から入るとこんな感じに。時折風に乗ってコーヒーのいい匂いが漂ってきます。京都のコーヒーは香り高いドリップが主流。それはここでも変わりません。繰り返しますが、この日は平日です。
知恩寺のお堂では法要も行われています。非常に京都らしい光景。正座して聞き入る人も多数。
お客さんの出足は14時過ぎから徐々に緩やかになります。手づくり市自体も16時には終了。みんな冷え込む前に急いで撤収して終了です。
この「百万遍さんの手づくり市」に出店するには下記ページを熟読した上、往復はがきにて事前応募となります。出店料は1ブース3000円。
百万遍さんの「手づくり市」・梅小路公園「一木手づくり市」出展応募要綱|手づくり市ホームページ
あくまで自分の作品に限られているため、誰でも気軽に出店というわけにはいかず、さらに抽選に漏れれば常連でも出店できないため、敷居が低いわけではありません。それでもこの手づくり市に集まる人々の熱気と商品のクオリティの高さはきっとよい刺激になるはず。まずは一度訪れて現場の空気を感じてみると面白いのではないでしょうか。
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