栃木ではコーヒー牛乳と同じ感覚で飲まれる「レモン牛乳」。他県民には驚きの目で見られますがどんな飲み物なのでしょうか。
栃木県出身の筆者が県外に出て驚いたことのひとつがレモン牛乳が売られていないこと。そしてその話をすると他県民からは逆に驚かれ「牛乳にレモン入れたら分離するじゃん!」と激しいツッコミが入るのが常でした。
近年はテレビなどでも紹介され、全国的に知名度が上がったおかげで駅の売店でもレモン牛乳グッズが大量に売られるようになりました。
このレモン牛乳、いったい何なのでしょう?そしてどんな味わいなのか検証します。
まずさっそくのところですが、正式名称が「レモン牛乳」ではなく「関東・栃木レモン」となっています。これはもともと関東牛乳という会社が「関東レモン牛乳」という名前で販売していましたが、まず法律改正により生乳100%でない製品に牛乳という名称が使えなくなり、「関東レモン」に変更されたもの。
さらに2004年には製造元の関東牛乳が廃業し、レモン牛乳存続の危機となります。ですが製造中止を惜しむ多くの栃木県民の声により、栃木乳業が製造法を無償で継承し、現在の「関東・栃木レモン」という名称になったのです。レモン牛乳がいかに栃木県民に愛されているか、お分かり頂けたでしょうか。
レモン牛乳の起源は戦後間もなくまでさかのぼり、特別な日の給食などで出されていたぜいたく品だったとされています。筆者も小学校の運動会でレモン牛乳を買ってもらって飲んだことを懐かしく覚えています。
現在は「関東・栃木レモンヨーグルト」やとちおとめを使った「関東・栃木イチゴ」などの関連商品も売られるようになりました。この辺りの経緯は「レモン牛乳物語|栃木乳業株式会社」に詳しく記されています。
成分ですが、やはりレモンは入っていません。他県の皆さんの指摘の通り、レモンと牛乳を混ぜるとカッテージチーズ状に分離してしまうためです。砂糖、ぶどう糖で甘みを出し、紅麹・紅花黄といった天然着色料でレモン風の色合いを出しています。
なお、先ほどの駅のおみやげコーナーの写真にあったものは「栃木の味 レモン入牛乳」で、パッケージは非常に似ていますが微妙に違います。これは県外のメーカーが作った便乗商品。中には商標権を侵害しているものもあるためおみやげでお買い求めの時には要確認です。
レモン牛乳をグラスにあけてみると、絵の具のレモン色をうっすら溶かしたような色合い。嗅いだことのないさわやかな甘酸っぱい香りがふんわりと漂ってきます。
舌の上に乗せると耳の後ろがキュッとなるような、ほのかな酸味に似た味わいが甘味と一緒に口の中に広がります。これはもちろんレモンでもなければ、他のどこでも飲んだことのない不思議な風味です。
栃木県民にとっては子供時代にタイムスリップしそうな懐かしい味ですが、他県の皆さんにはどう感じるのでしょう?ミルメークと似ているといわれることもありますがやっぱりちょっと違うこの味、栃木県を訪れた際にはぜひ一度試してみてください。
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