昨今のゲーム機では製造コストが販売価格を上回り、本体を1台売るごとに赤字が発生する「逆ざや」状態に陥ることが多く、ハードウェアメーカーの収益を圧迫していましたが、なんとPS4は本体を販売するだけで利益を出せることが明らかになりました。
Sony nears breakeven point on PlayStation 4 hardware costs, says IHS
調査会社IHSが行った調査によると、PS4の製造にかかるコストは372ドルで、組み立て費用を含めても381ドルと、アメリカでの販売価格(399ドル)を18ドル下回る計算となったそうです。
これは薄型・低消費電力化され、製造コストが下がったことで100ドルの値下げが行われたPS3「CECH-2000」シリーズと比較しても低コストで、同モデルの場合、販売価格(299ドル)に対して、発売当初の製造コストは336ドルだったとされています。
PS4の部品のうち最も高価なのはAMDのGPUを統合した8コアのJaguarプロセッサ(100ドル)で、2番目に高価なのは8GBのGDRAM GDDR5メモリ(88ドル)。同メモリはライバルとなる「Xbox One」が採用しているDDR3よりも広帯域で、PS4の非常に大きなアドバンテージとなっています。
なお、製造コストを削減する中で大きな役割を担ったのが光学ドライブとされており、「CECH-2000」シリーズでは66ドルかかったのに対し、PS4では28ドルに。さらに設計の統合を進め、部品点数を削減することでその他のデバイスもPS3の50.23ドルから40ドルにまで引き下げています。
ちなみに販売促進にかかる費用などを製造コストに含めると、現時点では販売価格を上回ってしまいますが、製造コストが販売価格を100ドルほど上回る「逆ざや」状態が常態化していたPS3発売当初と比べると、PS4は圧倒的に短い期間で本体販売だけで利益を得られることに。
また、早い段階で逆ざや状態から脱することでソフトやサービスに投資する余裕も生まれるため、好循環も期待できそうです。
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