転がっている石をバランスを取りながら積み上げる。言葉にすればそれだけのことですが、瞑想の極致のような緻密な操作と精神の安定によって息を呑むような造形がそこには現れます。
これらの一見重力を無視したかのように見える積み上げられた石の塔。もちろんフォトショップ加工などではありません。Michael Grabさんはこれらの石をひとつひとつ、自分の手と精神を用いて積み上げています。
Grabさんはこの行為をアートとして捉えていますが、それは同時に瞑想でもあるといいます。
「肝心なところは、バランシング・ロックはリラックスのための楽しみであり、ストレスの解放であり、創造であり学びなんです。これらは私の技能への挑戦であり、数えきれない可能性に手を伸ばすことです」
「バランシング・ロックを行う中での最も愛すべき体験は、石と自分を取り巻く環境と、私の想像力との無言の対話です。特に均衡するポイントを見つけ、理解することは非常に官能的な体験なんです」
Grabさんはバランシング・ロックをどのように行うかについて物理的なことと精神的なことについて以下のように述べています。
「物理的には、バランシング・ロックを行う上での基本は石を立てる時の『3点』を見つけることです。石には小さなものから大きなものまでデコボコがあり、それらが三脚のように機能します」
「物理的でない部分については言葉で説明するのは難しいです。簡単にいえば、私は瞑想を参考にしています。もしくは自分の中のゼロポイントや静寂を見つけようとしています。バランスをとることは時にあなたの精神と忍耐力に大きなプレッシャーを与えます。この挑戦を行う中で心に浮かぶ疑念に打ち勝つこともできるでしょう」
こちらが実際に石を立てている映像とインタビューの動画です。フォトショップなどではないことがお分かりいただけますでしょうか?
GRAVITY GLUE-An Interview with Michael Grab on Vimeo
Grabさんのこれ以外の作品などは以下の公式HPから。DJミックスなども聴くことができますが、これもなかなかディープです。
Gravity Glue Meditation. Balance. Art.
ちょっとした遊びでありながら、ある意味禅にも通じるような瞑想と言えそうです。休みの日、河原に出かけて一度やってみると違う世界が見えるかもしれません。
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