人気パーティーゲーム「汝は人狼なりや?」をベースに開発された、人狼の代わりにゲイを追放するゲームが炎上しました。
◆「アッー!とホーム♂黙示録~人狼ゲーム~」とは?
まずはゲームシステムを説明。基本的に「汝は人狼なりや?」と同じく追放する人物を投票で選ぶもので、Android、iOSアプリとしてまもなくリリースされる予定です。
「ノンケ(異性愛者)」と「人狼」陣営に分かれ、夜ごと男子寮内にいる人々を無差別に襲う人狼を追放するという内容。
占い師に相当する「ハッカー」や「カップル」などの役職があります。
人狼の手助けをする「ノンケのふりをした狂人」も登場。
追放した人物が人狼かそうでないかが分かる「委員長」
ノンケを人狼から守る「レスリング部」も。
◆公式ハッシュタグは「ホモ人狼」→案の定、炎上
男性同士の性行為時の声を意味する「アッー!」などがネットスラングとして有名であるとはいえ、このコンセプトはさすがにアウトなのではないか……という雰囲気が漂う中、批判の声を受けてか開発元が表現についての声明を本日付けで発表。
「性的少数者を差別する意図は全く無い」「性的少数者=人狼ではない」「コンセプトはネットスラングを多数取り入れたエンターテイメント性を持った人狼ゲーム」といった釈明を行っています。
本アプリは、性差別を助長したり、性的少数者を差別する意図は全くございません。
もしゲームタイトルなどから、このゲームにそのような意図があるように誤解させてしまったようであれば、深くお詫び申し上げます。
このゲームにおいて「性的少数者=人狼」のように表現はされておりません。
このゲームにおける人狼は、「正体不明の犯罪者」として表現されています。
カップルという役職がこれとは別に登場し、彼らは性的少数者として表現されています。
彼らは互いを安全な存在と証明でき、そのために周囲に信頼されます。
また、カップルである周知を、周囲は当然のものとして受け入れます。
現実の性的少数者の方も同様で、決して無差別に人を襲ったりするような事はありません。
本作品のコンセプトは、ネットスラングを多数取り入れたエンターテイメント性を持った人狼ゲームです。
開発当初から、このゲームを性差別助長の意図を持ったゲームにはしない、という理念の元に開発を行ってきました。
性的少数者を差別するような表現・用語・台詞が使われないように細心の注意を払い、
性的少数者が当たり前に受け入れられている世界観の表現を徹底したつもりです。
以上、何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。
しかし開発元の公式Twitterがプレーヤー向けに「ホモ人狼」というハッシュタグを設定していたことが判明。
あ、ハッシュタグ作ったんで使ってくださいね! ( ・`ω・´)つ #ホモ人狼
— アッー!とホーム♂黙示録~人狼ゲーム~ (@infoahhhh) 2014, 5月 2
ニューヨーク在住のジャーナリスト兼コラムニスト、北丸雄二氏をはじめ、各所で非難の声が上がっており、文字通り炎上しています。
#ホモ人狼 というハッシュタグを自ら宣伝しちゃってるところにこの【このゲームにおいて「性的少数者=人狼」のように表現はされておりません】って釈明、どこまで慌ててるのよ。頭隠して尻隠さず……ってここで使わせるか、しかし。
http://t.co/tN3SRqr0Is
— 北丸雄二 (@quitamarco) 2014, 5月 9
@infoahhhh #ホモ人狼 ←こんな差別感丸出しのハッシュタグ作っておいて、差別の意図はありませんと言われても説得力ゼロです。これは笑いだからネタだからで許されません。許されると思っているなら相当人権意識が低い企業と捉えざるをえません。製品の開発と流通の中止を願います。
— カンリケ (@kanrique) 2014, 5月 9
RT)ゲームの説明に「ノンケがアッー!される」とか「ノンケと人狼を見分けて、人狼を排除」とかあるんですけど……。ここでは「人狼」って明らかに同性愛者の言い換えじゃない……。
— 森奈津子 (@MORI_Natsuko) 2014, 5月 9
かつてゲイアートの巨匠、田亀源五郎氏が自身を「ネタ」として扱われることに「心が折れそうになる」とコメントしていたことを思い出させるエピソードですが、もう少しなんとかならなかったのでしょうか……。
・2014年5月15日追記
5月12日付けでニコニコ動画に公式動画が公開されました。
ノンケVS人狼!「アッー!とホーム♂黙示録 ~人狼ゲームやらないか~」 ‐ ニコニコ動画:GINZA
動画の解説はこんな感じ。ノンケと人狼を見分け、人狼を排除していかなければならないそうです。
T都S市に存在するというとある男子寮。そこで一人の生徒がアッー!されるという事件が発生する。犠牲者は口を閉ざしたまま学舎を去ったが、寮の中にはまだ他の生徒達をアッー!しようと企む、人の皮を被った狼が潜んでいるのかもしれないのだ。君は寮の一員となり、ノンケと人狼を見分けて、人狼を排除していかなければならない。
人狼ゲームアプリ「アッー!とホーム黙示録 ~人狼ゲームやらないか~」に関します、表現についての陳謝 - ハッピーゲーマー株式会社
また、開発元のハッピーゲーマー株式会社が5月13日付けで以下のように謝罪しています。
本ゲームにはどのような社会的意図も含まれておらず、一般の娯楽作品と同様に差別等を助長するものではありません。
ですが、そのような意図があるような誤解を招いてしまいました点につきまして、まずは深くお詫び申し上げます。
また皆様からいただきましたお声を元に、アプリリリース前に文言・画像・表現等の一部修正を行わせていただきました。
今後もそのような部分には細心の注意を払い、皆様が楽しめるゲーム開発を行なって参る所存でございます。
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