ケイ・オプティコムが今月からスタートした格安MVNO(仮想移動体通信事業者)サービス「mineo(マイネオ)」。実人口カバー率99%をいち早く達成した「au 4G LTE」を月額980円で利用できる上に、テザリングや落下保証が提供されることもあって、高い人気を集めています。
先日BUZZAP!でも対応端末「DIGNO M」を使ってみたレポートをお届けしましたが、実際どれくらい速度が出るのでしょうか。さっそく関西で試してみました。
◆ライフラインを含めた大阪の主要スポットで計測
今回の計測スポットはJR環状線、地下鉄御堂筋線の主要駅や大阪市内の「キタ」「ミナミ」「新世界・天王寺」エリアの各主要スポット。なるべく実利用シーンに近い数字が出るよう、平日の昼間から夕方の帰宅ラッシュ時にかけて、各所で3回計測した平均値を算出しています。
1.JR大阪環状線大阪駅ホーム
下り16.90Mbps、上り6.88Mbps
まずは再開発でガラリと雰囲気が変わったJR大阪駅。関東で言うなれば新宿駅のようなポジションですが、パフォーマンスは悪くありません。
2.JR大阪環状線京橋駅ホーム
下り27.29Mbps、上り9.96Mbps
学研都市線・東西線や京阪電鉄、地下鉄長堀鶴見緑地線などとの乗換駅である京橋は30Mbps近い数字に。
3.JR大阪環状線鶴橋駅ホーム
下り22.84Mbps、上り14.01Mbps
近鉄や地下鉄千日前線との乗換駅で、焼肉店からの香ばしい匂いがいつも漂ってくる鶴橋駅でも20Mbps超えを記録。
4.JR大阪環状線弁天町駅ホーム
下り24.07Mbps、上り10.46Mbps
地下鉄中央線との乗換駅で、海が近い弁天町駅でも同じような数字となりました。
5.JR大阪環状線西九条駅ホーム
下り17.37Mbps、上り8.82Mbps
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に向かうゆめ咲線や阪神電車への乗換駅、西九条も20Mbpsに近い数字が出ています。
6.JR大阪環状線天王寺駅ホーム
下り23.66Mbps、上り8.66Mbps
大阪南部や和歌山県、関西空港へ向かう人々などの玄関口で、強いて言うなら上野的なポジションにあたり、日本一高いビル「あべのハルカス」を見晴るかす天王寺駅でも20Mbps超え。
7.あべのハルカスエレベータ前
下り12.18Mbps、上り10.76Mbps
近鉄が社運を賭けて開発した「あべのハルカス」エレベーター前はそこそこの数字でした。
8.御堂筋線天王寺駅ホーム
下り29.69Mbps、上り5.91Mbps
続いては地下鉄御堂筋線天王寺駅。御堂筋線は梅田(JRでは大阪駅)や天王寺といったターミナル駅となんば・心斎橋などの繁華街、そして本町・淀屋橋などのビジネス街を結ぶ、関東で言うところのJR山手線にあたる最も重要な路線です。
通信速度は30Mbps程度。これなら十分ではないでしょうか。
9.通天閣前
下り33.32Mbps、上り10.15Mbps
そして「あべのハルカス」ができてもなお、大阪のランドマークでありつづける通天閣では30Mbpsを超える速度を記録。
10.御堂筋線なんば駅ホーム
下り26.55Mbps、上り8.45Mbps
「ミナミ」と呼ばれる繁華街の入口、なんば駅ホームでも20Mbps超に。
11.なんばグランド花月前
下り22.59Mbps、上り14.53Mbps
こちらは「笑いの殿堂」ことなんばグランド花月の前。なんば駅からやや離れたところにありますが、やはり良い数字です。
12.御堂筋線心斎橋駅ホーム
下り28.52Mbps、上り8.01Mbps
お隣の心斎橋では30Mbpsに迫る数字に。
13.戎橋グリコ前
下り17.06Mbps、上り12.71Mbps
テレビに映ることでもおなじみの「グリコの看板」がある戎橋(通称:ひっかけ橋)前では20Mbpsを割り込んだものの、昼夜問わず人でごった返すスポットにもかかわらず、いい結果を出せています。
少し気になったのが、同じ周波数帯を掴めるiPhone 5s(au契約)のほうがmineo契約のDIGNO Mより速度が出なかったという部分。これは端末に内蔵されたアンテナの感度によるものと考えられ、くしくもDIGNO Mの完成度の高さを裏付ける結果に。
14.アメリカ村三角公園
下り26.78Mbps、上り10.69Mbps
若者が集うアメリカ村の人気スポット「三角公園」も好調。
しかしやはりiPhone 5sは奮わない数字です。
15.御堂筋線梅田駅ホーム
下り19.86Mbps、上り8.92Mbps
梅田駅はこんな感じ。御堂筋線でも群を抜いて乗降客数が多いにもかかわらず健闘しています。
なお、全国の地下鉄でトンネル内のエリア化が進んでいますが、もちろんmineoもトンネル内でLTE通信を利用できます。
16.グランフロント大阪前
下り9.53Mbps、上り4.69Mbps
オープン1周年を迎えた「グランフロント大阪」では、珍しく10Mbpsを割り込む数字に。
17.ヨドバシカメラマルチメディア梅田前
下り16.03Mbps、上り5.75Mbps
しかしグランフロント大阪近くにある「日本で最も売り上げるヨドバシ」ことヨドバシカメラマルチメディア梅田前では盛り返しました。
18.ヨドバシカメラマルチメディア梅田8F男子トイレ個室
下り8.58Mbps、上り5.33Mbps
「家電量販店上層階のお手洗いの中」といったところでも、もちろん通信可能。地下鉄や建物の中などを気にせず使えるのはプラチナバンドの大きなアドバンテージです。
19.阪急東通り商店街
下り33.47Mbps、上り13.75Mbps
夜になれば連日にぎわう、キタの中心部にある「阪急東通り商店街」では30Mbpsを上回る数字を記録。上り速度も申し分ありません。
◆まとめ:安定して速度が出るmineo、LTEのみの対応も問題無し
通信速度はネットワークの状況、時間帯、電波状況、周辺の人口など、さまざまな要因でその都度変わるとはいえ、大阪の大動脈・御堂筋線や環状線、各主要スポットで安定して20Mbps台を叩き出していたことを考えると、十分ではないかと思われるmineoのLTE。
「au 4G LTEエリアでしか通信できず、3Gエリアは通話のみ」というサービス内容に不安を覚えるユーザーがいるかもしれませんが、au 4G LTEは建物の中にも強い「プラチナバンド(800MHz帯)」で実人口カバー率99%をいち早く達成しただけあって、計測中に圏外になることはありませんでした。
また、mineoの場合、3G/4G双方に対応しているスマホを利用している際にありがちな「4Gエリアなのに3Gに落ちてしまう」という事態に見舞われずに済むというメリットもある上、仮に圏外になったとしても、発着信・SMS送受信は可能であるため、3Gデータ通信非対応は必ずしもマイナスではないかもしれません。
ちなみにauは現在、LTE回線を使った音声通話サービス「VoLTE」の立ち上げに向けて、エリアの「穴」が発生しないよう、よりきめ細かな整備を推進中。LTEエリアの整備が進めば進むほどmineoもさらに快適になるため、将来性の面から考えても、選択肢としてなかなか悪くなさそうです。
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