「餃子は酢と辣油で食べる」など、宇都宮流餃子の食べ方あれこれ

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餃子の都、宇都宮。シンプルながら日常的に餃子を食べるこの街にはちょっと意外な餃子の通な食べ方が存在しています。詳細は以下から。

餃子、シンプルながら奥深く、バラエティに富んだ料理です。近年は餃子を売りにする街も増えており、餃子専門店や変わった餃子を提供するお店も増えてきました。しかし今もシンプルな餃子が日常的に愛されている宇都宮にはその美味しさを堪能する食べ方が息づいています。

もちろん、宇都宮人（「宮っ子」と自称します）にはそれぞれの好みの店があり、好みの食べ方があり、決して万人共通のセオリーがあるわけではありません。その辺りも奥深さの一端なのですが、ここでは宇都宮出身の筆者の独断と偏見と好みに沿って紹介していきます。

今回訪れたのは「餃子専門店正嗣駒生店」。宇都宮餃子の2大巨塔として「みんみん」と並び立つ老舗です。筆者は高校時代から正嗣で部活などの帰りに餃子を食べていたので個人的な原点でもあります。この日は開店時間の11時前から凄まじいゲリラ豪雨が降り注いでいましたが開店早々に満席。流石の貫禄です。

◆餃子をオカズに餃子を食べる！
正嗣は現在でこそ一部店舗には「餃子ライス」のようなセットメニューがありますが、基本的に焼餃子と水餃子とお持ち帰り用の生餃子のみという、ご飯もお茶もビールもない凄まじく男らしい品揃えです。

まだ「餃子の都、宇都宮」の内情が知られていなかった当時、上京して友人にその話をすると「餃子食べるのにラーメンもご飯もビールもないなんて！」と半ば詰問調で驚かれたのはいい思い出です。

その頃から正嗣では水餃子をオカズに焼餃子を食べる（もしくはその逆）がスタンダードな餃子の食べ方でした。白い飯をかっ込みたくなる気持ちもよく分かりますが、ここはガッツリ餃子コンボで行きましょう。焼餃子2人前と水餃子1人前を頼むならコールは

「焼きダブル、水シングル」

となります。正嗣以外のお店で通じるかは不明。

◆餃子はまず酢と辣油で食べる
焼餃子は何につけて食べますか？関東の人なら醤油と酢と辣油と答えるでしょう。関西ではお店ごとの餃子のタレが置いてあるケースも多いようです。宇都宮では基本的に醤油と酢と辣油が置いてあるのですが、最初から醤油をドボドボと入れてしまうのは「ちょっと待った！」です。

これは15年ほど前に正嗣本店で教わった食べ方なのですが、最初はまず酢にお好みの量の辣油を垂らして食べるのが焼餃子を本当に美味しく食べるコツです。醤油抜きで食べると餃子の具の味のクリアさが全く違います。これまでは焼き餃子の味ではなく醤油の味を食べていたんだと一瞬で気付くレベルの差がありますので騙されたと思って一度試してみてください。酢の酸味は餃子本来の肉や野菜、そして皮の味わいを損ねることなく、むしろ増幅させてくれます。

そして半分ほど食べ終わった時点で少しずつ、数滴ずつそこに醤油を垂らし、味の変化を楽しんでいくのが通だとのこと。もちろん醤油なしで満足なら入れる必要はありません。
◆水餃子を餃子スープとして味わう
今でこそメジャーになってきた水餃子。果たしてどうやって食べるのが一番いいのでしょうか？

正嗣ではこのような注意書きがしてあります。ゆで汁を酢と醤油でスープのように味付けをしながら食べるのがオススメですが、焼餃子用のタレに入れるのも美味しいです。

ここで個人的にオススメする食べ方は、餃子破壊です。器の中の餃子をひとつ破壊し、内容物をスープに拡散させ、そこに醤油と酢で味付けをするのです。これによってスープはさらにコクを増し、具だくさんになるのです。皮はワンタン的に美味しく頂きます。

邪道と言われるかもしれませんが、これが美味しい。最初からではなく、少し食べ進めた段階でやるのがよいと思います。

そんなこんなで完食です。餃子の食べ方のバリエーションとして、ピンときた食べ方を取り入れてみてはいかがでしょうか。新たな餃子ライフが幕を開ける事間違いなしです。