総務省のトップ、高市早苗総務相がiPhone 6の値引き合戦についてコメントしました。携帯電話各社の監督官庁であるだけに、少なからず影響があるとみられます。
◆火蓋を切ったiPhone 6の販売競争に総務相釘刺し、すでに高額下取り合戦勃発中
時事ドットコム:過剰な値引き、望ましくない=iPhone6で-高市総務相
時事通信社の報道によると、高市早苗総務相は本日行われた閣議後記者会見で、iPhone 6の販売競争について「長期利用者に不公平感を感じさせるような過剰なキャッシュバックや、過剰な営業競争は望ましくない」とコメントしたそうです。
しかしiPhone 6をめぐっては、他社との差別化要因としてネットワークの拡充っぷりをアピールするauを尻目に、ドコモやソフトバンク主導の「他社版スマホ高額下取り合戦」が勃発中。一部機種では4万円台の値が付くなど、大盤振る舞いが行われています。
◆問題はキャッシュバックや営業競争だけではない
ドコモが初参入したiPhone 5s/5cから「サービスを充実させるより札束で殴り合った方が早い」と言わんばかりの様相を呈しているiPhone商戦ですが、問題はiPhoneをめぐるキャッシュバックや営業競争にとどまらないのが現状です。
携帯各社が6月から相次いで導入した完全通話定額付き新プランでは、以下のドコモの例を見ても分かるように、ランニングコストが増加傾向にあり、利用できるデータ通信量の減少もあって、「特に通話をしない(LINE電話などで十分)」「データ通信がメイン」というユーザーにとって割高感が否めない内容となっています。
・旧プラン
タイプXiにねん(通話定額無し、743円)+spモード(300円)+Xiパケ・ホーダイ フラット(月間7GB、5700円)=6743円
・新プラン
カケホーダイ(完全通話定額、2700円)+spモード(300円)+データMパック(月間5GB、5000円)=8000円
また、NTTドコモは8月末で旧プランの受け付けを終了したほか、9月からは「機種変更時に新プランに移行しない場合、スマホを月々サポート無しの定価で購入させる」という方法で既存ユーザーにも移行を強制中。まるでおなかが空いていない人にまで食べ放題を強要するような事態となっています。
iPhone 6の営業競争に加えて、「通話をほとんどしない人の通話定額料を原資に、ガンガン通話する人の通話定額を支える」という新たな不健全な構図が生まれつつある携帯電話業界。総務省が今後、何らかのアクションを起こすようなことはあるのでしょうか。
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