クールジャパンを担うアニメ若手製作者が月9万円でこき使われている無慈悲な現実に大きな批判

海外でも人気の高いクールジャパンの筆頭とも言えるアニメの若手製作者達の賃金と労働環境の悲惨過ぎる実態が明らかにされ、物議をかもしています。


海外に旅して外国人と話した時、日本に関する話題で最初に名前が出てくるものは何でしょうか。ご想像の通り、もちろんそれはアニメです。

サッカーの元フランス代表のジダン選手が「キャプテン翼」を見てサッカーを始めたというのは有名なエピソードですが、ヨーロッパでは「ドラゴンボール」は既に古典、「ワンピース」「NARUTO」を見て育ったという若者も非常に多いのが現状です。

その世界から注目を浴びるアニメを生み出し続けている日本の、まさに現場で働く製作者たちの待遇のあまりの酷さが28日にNHKのニュースで報道され、大きな反響を呼んでいます。

アニメ若手制作者 平均年収は110万円余 NHKニュース

製作者の1日の平均労働時間は11時間と長く、20代の若手が多い動画を担当する製作者の平均年収は110万円と極めて低い水準に留まっています。これは月収に直すと9万円あまり、仮に月に20日働いたと計算すると時給はなんと415円程度ということになります。

この原因としては人件費の安いアジア各国との競争が激化していること、動画製作者の多くが1枚数百円という契約で仕事を請け負わざるを得ない環境があることなどが要因と見られています。

この報道にツイッター上では意見が噴出。「何を今更」「この問題は30年前から言われていたことだ」などと、これまでずっとアニメ業界の苛酷さが見過ごされてきたことへの指摘の他「記録に残らない作業時間はもっと多い」「請負の個人事業主扱いの人のデータが反映されていないから実態はもっと酷いはず」「好きでやってる人が多い分、やりがい搾取になる」という指摘も。

また、「現場の環境を改善させないと業界の未来はない」「この惨状を放置していてクールジャパンとかありえない」などの声も上がっています。

『アニメ若手製作者の平均年収』が明らかに→業界内外からの嘆きやら批判やら続々! – Togetterまとめ

調査を担当した業界団体はシンポジウム等を開いて製作者の待遇改善を訴えるとしていますが、国がクールジャパンとしてこうした文化や作品を用いる以上、なんらかのサポートがなければ片手落ちとの批判は免れないでしょう。

鴻上 尚史
講談社
売り上げランキング: 2,007

・関連記事
みうらじゅんが選んだ高円寺の公式キャラ「サイケ・デリーさん」のお披露目式、やはりゆるくてぶっ飛んでいました | BUZZAP!(バザップ!)

まるでマクロスかガンダム、スターウォーズを帝国視点から80年代日本アニメ風に描いたショートアニメ作品がすごい! | BUZZAP!(バザップ!)

「ウルトラヘブン」の小池桂一が16歳で手塚賞に入選した幻のデビュー作「ウラシマ」が電脳マヴォで公開 | BUZZAP!(バザップ!)

光るネコミミヘッドフォンがついに製品化決定、わずか1週間で目標投資額の3倍を突破 | BUZZAP!(バザップ!)

これぞ江戸しぐさ、おならでバトルする江戸時代の「屁合戦絵巻」がマジキチ過ぎると海外で繰り返し話題に | BUZZAP!(バザップ!)

この記事をSNSでシェア

フォローまたはいいね!して最新情報を手に入れよう

カルチャー に関する人気記事

  1. 【一見の価値あり】ゴミや鉄くずで作る精緻を極めた“影絵アート”
  2. まるで山火事のような幻想的な焚き火台「Up North」
  3. メトロン星人とちゃぶ台を挟んで記念撮影…だと!?愛媛県歴史文化博物館の「ウルトラセブン展」が激アツい
  4. 天才と呼ぶしかない、11歳のDusan少年が描く息を呑むほど緻密で生命力に溢れる動物の絵画
  5. 4原色の色覚を持ち、常人の100倍の1億色を視ることのできる女性画家

カルチャー の最新記事