東南アジアを旅する人の間では美味いと大評判の珍味を味わってみました。これは本当に最高です。詳細は以下から。
現代日本では、昔はゲテモノと思われていたアジアン・エスニック料理の食材や調味料も既にポピュラーになり、ファミレスのメニューに普通に取り入れられていたり、スーパーの棚に並んでいたりします。
1990年代に入るまではナンプラーやパクチー、レモングラス、ココナツミルクなどはまだまだ日本人には馴染みが薄く、簡単に手に入るものではありませんでした。そして今や誰もゲテモノと思わなくなったカエルの肉やピータンに抵抗のある人もずっと多かったのです。
しかし多くのアジアの食材や調味料が日本に入って来ていても、やはり現地に行かないとなかなか食べられない味というのは存在するもの。そんな代表格のひとつがこの「孵化寸前のアヒルのゆで卵」です。
この食べ物の名前は国によって大きく違い、筆者はホビュロムとおぼえていましたが、バロット、ホヴィロン、マオタン、そしてここカンボジアではポンティアコーンと呼ばれています。孵化寸前の卵なのでもちろん中のアヒルは既に形ができあがって殻を割って生まれるだけのスタンバイ状態。それをゆで卵にしていただくのです。
アジアに珍味は数あれど、食べる前は誰もがグロテスクだと恐れをなし、そして食べた後はその美味しさにハマってしまう珍味というのはなかなかないと思います。
ここはカンボジアの首都プノンペンのロシアンマーケットの前に夜になると展開される屋台街。ぶっかけ飯から串焼き、デザートまで何でも揃ってずらりと並んでいます。この中にポンティアコーンを出す屋台が何軒も並んでいます。
いつも通り、お客さんで賑わっている店をチョイス。ポンティアコーンに関しては食べた後の殻が辺りに散乱していることも店選びのポイントになります。指差しで注文すると値段は2000リエル(約60円)と非常に手頃でした。
注文した後に席で待っているとこのセットが運ばれてきます。ライムと塩とザウザムと呼ばれる香草が付け合せになっています。
こちらのおちょこのような台に載せ、卵のお尻の部分をスプーンでコンコンと叩いて割り、殻は足元に捨ててOK。見てください、この血走った血管。
半分卵、半分は鳥なので、このように場所によって黄身が残っているところ、鳥になっているところが分かれています。この違いが食感の差を生み出し、それがまた絶妙なのです。
液体状の部分はすすり、味を見ながら香草とライム、塩を足しながら頂きます。非常に濃厚で芳醇な味わいです。卵と鳥肉の美味しいところを絶妙にミックスした感じの味といえば少し分かっていただけるでしょうか?
最後に残った黄身の部分を取り出してみました。流石に暗いのでブレていますが…。
こちらは別の町の道沿いの屋台で食べた時のもの。
やはり塩とライムと香草のセットは変わりません。
豪快に香草と一緒に食べてみます。
ただしこちらはちょっとゆで具合が完熟過ぎた感じも。
実際に選ぶ際に問題になってくるのは衛生面はもちろん、その時のゆで具合でもあります。作りたてで絶妙なゆで加減のものは本当に美味しいのですが、作り置きされていて冷えていたり、かたゆでになっているとちょっと微妙。
やはり目の前で作っていて、しかもちゃんと流行っている店をチョイスするのが素敵な「孵化寸前のアヒルのゆで卵」体験をするキモとなりそうです。何日目の卵かという辺りも重要ではありますが、なかなかそこまで現地語で聞くのはハードルが高いのでそこは信じましょう。
最初のちょっとグロいかも…という印象を乗り越え、本当に美味しい店に当たればその後は完全にハマること間違いなし。アジアをさらに身近に感じることができるでしょう。
誠文堂新光社
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