よりよい睡眠のため、意識すべき5つのポイント

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人生の1/3を占める睡眠時間。この大切にして心地よい時間を素晴らしいものにするために気をつけるべき5つのポイントがあります。

人間は一生の1/3を眠って過ごすと言われており、昨年93歳で大往生を迎えた水木しげる先生も「睡眠のチカラ」という漫画でその重要性を説いています。


ですが、水木しげる大先生のように10時間など夢のまた夢、終電で帰宅して朝早くから出勤という毎日を送る社会人も少なくないのが今の日本。そんな中でよい睡眠を得るために気をつけるべきポイントは何なのでしょうか?

シドニー大学で睡眠と健康を専攻とするChin Moi Chow准教授によると大切な5つのポイントが存在しています。

1.精神を静めること
眠ろうとする時、眠りを妨げるものには雑念があります。ウトウトとまどろみたいのに昼間のこと、過去のことを思わず考えてしまうことは多いですし、特に悪い考えは良い考えよりも強く、不安や心配を呼び寄せて眠れなくなりがち。

そんな時は瞑想の技法や信仰を持つ人であれば祈りが役に立ちます。もしくは単純に平和や満たされた気持ちに身を任せるのもよし。他のことは全部明日の朝まで待ってくれるんだと考えることも有効です。

瞑想と言うと難しそうですが、以前NHKでも紹介された禅を応用したマインドフルネスなどは助けになりそうです。

2.昼間や寝る前の習慣を改めること
アッパー系の高精神作用を持つカフェインは睡眠の導入を困難にします。1日に2、3杯以上のコーヒーを飲む習慣を持っていると、長くカフェインが体内に残留してしまいます。眠る前の6時間はコーヒーを飲まないように気をつけると寝付きは良くなります。

また、トリプトファンを多く含むさくらんぼやパンプキンシード、牛乳やヨーグルトは入眠を助け、白米のような血糖指数の高い食物を睡眠の3,4時間前に摂取するのも効果的です。

トリプトファンから体内で合成されるメラトニンは入眠に大きく関係しており、光によって抑制されてしまいます。よって、眠る前にPCやスマホなどの光を発する電気機器を長く扱ったり、眠る時に電気を点けたままにしていると睡眠が疎外されてしまいます。寝る前のネットサーフィンは控えめに、眠る時はちゃんと消灯を心がけるのがよいでしょう。

もちろん運動は入眠を容易にし、睡眠の質を改善させてくれます。まだ推論の域ですが、運動が深い眠りであるノンレム睡眠を増加させるとの研究もあります。

3.睡眠を中断せずにすむ環境を作ること
眠れない原因には部屋が暑すぎたり寒すぎること、騒音や光などがあります。予めそういった要素を無くしておかないと眠りに入るモードを中断しなくてはならなくなります。

また尿意も睡眠の妨げになるため、眠る2時間前からはあまり水分を取り過ぎないように注意しましょう。アルコールも深い睡眠を妨げるので、寝る前に飲み過ぎることには要注意です。

4.毎日の生活リズムを整えること
毎日の眠る時間と起きる時間をしっかりと設定しましょう。睡眠サイクルが確立すれば、眠るべき時間になれば眠気は訪れるようになります。同時に朝もしっかりと起きられるようになってゆきます。個人差はあるとはいえ、毎日バラバラのリズムで寝起きするよりは遥かに睡眠は改善されます。

5.眠れないことを気にし過ぎないこと
十分に睡眠が取れていないという心配は、むしろ睡眠に関する問題を増幅します。睡眠について不安に思うことは日中の考えや記憶、感情や振る舞いに影響を及ぼします。

ただし、そういった考えをすぐに変えることは難しいので、場合によっては専門家の助けを借りることも必要になります。

もし仮にある夜にしっかり眠れなかったとしても、その分のマイナスは次のゆっくりとした睡眠で取り戻すことは可能だと考えましょう。ただし先に寝溜めしておくことはできないので注意。


さて、この5つのポイントと自分の生活、睡眠習慣を比べてみていかがでしょうか?当たり前のことに見えるかもしれませんが、それだけ大切なスタンダードだということ。できるところ少しずつでも生活を変えていくことが、良質な睡眠に繋がってゆくのではないでしょうか。

Health Check five ways to get a better night's sleep

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