プロセッサやフラッシュメモリなど、半導体の進化を語る上で切っても切れない関係にあるのが製造プロセス。
微細化が進めば進むほど処理速度の向上や消費電力の引き下げといったメリットが得られるわけですが、ついに10nm以下のプロセスが採用されることになります。詳細は以下から。
台湾メディア「DIGITIMES」の報道によると、iPhoneやiPadのプロセッサを受注生産してきたSamsungが14nmのFinFET(3次元構造のトランジスタ)のコスト最適化、10nmプロセスの製造ラインなど、半導体事業の強化を計画しているそうです。
そして同じくAppleやクアルコムからプロセッサを受注生産してきたTSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー)もSamsungに対抗すべく、10nm・7nmプロセス(現行では14nm・16nmプロセス)の製造ライン構築に向けた技術開発を進めているとのこと。
なお、TSMCは10nmプロセスを2016年後半、7nmプロセスを2017年前半にスタートさせる予定。つまり今年発売のiPhone 7に搭載される「Apple A10」が10nmプロセス採用、来年登場するクアルコムの最新プロセッサ(Snapdragon 830?)が7nmプロセス採用になる可能性があるわけです。
このようにスマホ向けプロセッサでは大手メーカーからの受注を獲得するためにSamsungとTSMCがしのぎを削っているわけですが、業界関係者はIntelが参戦する方針であることを明らかに。
モバイル向けプロセッサで厳しい立場に追いやられているIntelは他社から半導体の生産を請け負うファウンドリ事業を強化する方針で、AppleやNVIDIA、クアルコムといった大口顧客からの受注を獲得すべく、生産容量を拡大するとしているため、Samsung・TSMC・Intelが三つどもえの乱戦を繰り広げることとなりそうです。
Competition in advanced process technologies market to heat up
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