2014年に行われた「アイスバケツチャレンジ」を覚えているでしょうか?気がつけば大きな成果を残していました。
2014年の夏、筋委縮性側策硬化症(ALS)という難病の認知を高めるためのキャンペーンとして世界中で大流行したアイスバケツチャレンジ。前のチャレンジャーから指名を受けた人は24時間以内に氷水を被り、その動画を公開するか100ドルをALS協会に寄付し(もしくはその両方を行い)、次のチャレンジャー3人を指名するというものでした。
当時はビル・ゲイツやマーク・ザッカーバーグらのIT業界の世界的著名人らからレディ・ガガ、スティーブン・スピルバーグらのセレブリティの間でも大きなムーブメントになり、日本でも孫正義、秋元康をはじめ、ノーベル賞受賞者の山中伸弥、乙武洋匡、古田敦也らがチャレンジする動画が公開されて一大ムーブメントとなりました。
オバマアメリカ合衆国大統領もやりました。
なんとトランプ次期大統領候補もやっていました。
もちろん単なる「社会貢献ごっこ」に過ぎず、お祭り騒ぎをしているだけだという批判が続出し、冷笑・嘲笑の対象ともなりましたが、あれから2年経ってこのアイスバケツチャレンジがALSに大きな成果をもたらしていたことが明らかになりました。
このムーブメントの中で1700万人がネットに動画を投稿し、集まった寄付金はわずか8週間の間に1億1500万ドル(約120億円)にも上りました。この大部分が先進国のALS研究プロジェクトへと出資されました。
今回大きなブレイクスルーとなるALSの原因遺伝子の特定に成功したマサチューセッツ工科大学メディカルスクールのプロジェクト「MinE」もこのアイスバケツチャレンジの資金によって運営されたものです。
MinEプロジェクトはALSの原因となる遺伝子「NEK1」を特定。これによって今後ALSの新たな治療法が確立される可能性があるとのこと。
単にALSという難病の認知度を高めるだけで無く、寄付金によって原因遺伝子まで特定してしまったアイスバケツチャレンジ。一見無責任な馬鹿騒ぎにも見えたこの行動が難病患者の未来を切り開いたことは多くのことを示唆しています。
あの時斜に構えて冷笑・嘲笑していた方、次の機会にはぜひ行動で示してみてはいかがでしょうか?
The Ice Bucket Challenge Directly Funded A Major Genetic Breakthrough In ALS Research _ IFLScience
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