米FDAがホメオパシーの乳児向け製品の使用中止と破棄を勧告、10人が死亡400人が健康被害の可能性

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代替医療ホメオパシーの製品に使用中止と廃棄がなされました。詳細は以下から。

ホメオパシーとは18世紀末から19世紀初頭に掛けてドイツの医師であったザームエル・クリスティアン・フリードリヒ・ハーネマンによって提唱された民間療法のひとつ。

ホメオパシーでは特定の作用を持つとされる成分を10の60乗倍にまで薄めたものを砂糖玉に染みこませた「レメディー」を用います。ここまで希釈された場合、そのレメディーには基本的に分子1つも入っていないことになります。しかしホメオパシーでは

こうして作られたレメディーそのものには、何の効力もありません。砂糖以外の物質は何もないのです。だから、物質作用的な力はないのです。ただ、パターンのようなものが残っているため、体内の症状に共鳴し、自己治癒力の活動を発動させるきっかけを与えることができるのです。

ホメオパシーとは|日本ホメオパシー医学協会より引用)


と主張。この点から擬科学であることが分かります。プラシーボ効果は実際に存在していますが、それ以上の効果が期待できることはありません。

しかしアメリカ合衆国の米国食品医薬品局(FDA)は10月14日までにホメオパシー薬を手がけるHyland's社の「Teething tablets」や「Teething gels」といった、乳幼児向けの歯の生え始めの痛みを和らげるとされる薬に関し、過去6年間に10人が死亡し、約400人が健康被害を受けた可能性があるとして調査に乗り出しました。

健康被害としては嘔吐や昏睡状態に加え、てんかん発作や呼吸困難、極度の眠気、筋力低下、皮膚の紅潮、便秘、排尿困難などの報告があると指摘しています。

これらの薬にはナス科の強い毒性を持つベラドンナ由来の成分が含まれており、FDAは調査に先立つ9月30日の時点で消費者に利用の中止と廃棄を勧告する声明を発表していました。既に米国内の大手ドラッグストアチェーンでは取り扱いが中止されているとのこと。

Hyland's社側は「現時点で商品と健康被害を関連付ける医学的、統計的な証拠は示されていない」と反論の声明を出しています。もちろん10の60乗倍にまで希釈すれば分子が1つも入らないため、ベラドンナの毒性による影響が出るはずもありません。

しかし、FDAが現在おこなっているサンプル調査では「Teething tablets」に含まれるベラドンナの分量は錠剤によって大きく異なっているということで、身体の小さな乳幼児にとっては過剰摂取の危険性も十分にあるとしています。

本来は効果のない単なる砂糖玉であったはずのレメディーが、粗製濫造によって毒性を希釈しきれていなかったということになりそう。なお、これらの製品は日本でもネットなどで販売されているため、要注意です。

米FDA、ホメオパシー商品の利用中止、廃棄を勧告 乳児用の錠剤、ゲルで有害事象続く _ Aging Style(エイジングスタイル)

東京新聞_日本でも販売「ホメオパシー」幼児薬 米で10人死亡?調査へ_国際(TOKYO Web)

(Photo by seesternrea


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