先日お届けした2016年冬モデルスマホのベンチマーク比較に続いて、今度は発熱耐久実験の様子をお届けします。
昨年発売されたSnapdragon 810採用スマホでは発熱で急激にパフォーマンスが落ちてしまうケースがありましたが、今回はどうなのでしょうか。同じプロセッサを備えた夏モデルと合わせて比較してみました。詳細は以下から。
◆2016年冬モデル3機種でベンチマーク比較
今回比較したのは「Xperia XZ SOV34」「isai Beat LGV34」「iPhone 7 Plus」の3機種。Android勢はSnapdragon 820、iPhone 7 PlusはApple A10を搭載しており、Xperia XZは携帯3社、isai Beatは「LG V20 PRO」としてドコモ版も発売されます。なお、iPhone 7 Plusを除いて発売前のモデルで測定したため、製品版とは結果が異なる可能性があります。
今回ベンチマーク測定に用いたのは2016年夏モデルの時と同じ「3D Mark Sling Shot using ES 3.1」。iPhone 7 Plusでは「Sling Shot Extreme」を用いています。
それでは早速計測開始。
◆測定結果
ハードウェアをフル稼働させるため、どうしても本体が発熱してしまうベンチマークテスト。発熱で動作速度が落ちてしまわないかを検証する目的で、今回も5回連続で行ってみました。要は高いスコアを安定して出し続けられるスマホほど、発熱問題を抱えていないわけです。
・Xperia XZ SOV34:2521→2391→2531→2253→2208
・isai Beat LGV34:1944→1906→1354→1366→1362
・iPhone 7 Plus:2221→1882→1816→1823→1824
なお、iPhone 7 Plusのスコアを同じApple製品と並べると、少し不思議な結果になります。
◆安定のXperia、isai Beatはあらかじめクロック数を落としたモデルに
上記の測定結果から、5回連続で計測しても高いパフォーマンスを維持し続けられるのはXperia XZであることが分かりました。
また、おそらく発熱や電力消費を抑える目的とみられますが、isai Beatは1回目の測定でもXperia XZの7割程度のスコアしか出ず、3回目の計測以降はさらにその7割程度にまで落ち込む結果に。高負荷が続いた場合、Xperia XZの6割程度のパフォーマンスしか出ないことになります。
前モデルのisai vividでも、メーカー各社が発熱が問題となったSnapdragon 810を搭載する中、パフォーマンスと引き替えに発熱を抑えたSnapdragon 808を採用していたため、LGは発熱を抑えることを最優先に考えているようです。
2016年に発売されたSnapdragon 820搭載スマホを比較してもその傾向は顕著。最終的には最もスコアの落ち方が顕著だったHTC 10よりも低いスコアとなります。
「パフォーマンスを優先したい」「パフォーマンスよりもバッテリーの持ちを優先したい」など、人によって求めるものが異なってくるため、一概にどちらのアプローチが正しいと決め付けるのも難しいところではありますが、ここまで極端にメーカーごとのアプローチが異なるのは、なかなか興味深いケースではないでしょうか。
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