総務省の締め付けを受けて携帯各社が長期利用者優遇策を強化する中、ソフトバンクが明日から開始する「長期継続特典」が微妙なことになっています。詳細は以下から。
◆ソフトバンクがお客様に感謝を込めて開始する「長期継続特典」とは?
ソフトバンクのプレスリリースや公式ページによると、同社が明日12月1日(木)から提供する長期継続特典は、パケット定額サービスを契約しているユーザーが対象。
2年ないし3年契約を更新するごとに一度Tポイント3000円分がプレゼントされ、そして毎月利用料金から200円割引ないし毎月500円分のTポイントが付与されるものとされています。
「2年間で最大1万5000円分のTポイントがもらえます」とアピールする公式サイト。額面を見て現金割引よりお得だと感じる人も多そうです。
◆もらえるTポイントは期間・利用先限定、有効期限はわずか30日
しかしここで注意したいのが、もらえるTポイントが期間、用途共に限定されているという点。
2年契約更新時にもらえるポイントの有効期限が180日間である点はドコモやauと同じではあるものの、毎月付与される500円分のTポイントはわずか30日間しか利用できず、貯めておくことはできません。
つまりどれだけ頑張っても一度に利用できる最大のポイントは2年契約更新時の3000ポイントと毎月付与される500ポイントを組み合わせた計3500ポイント。
使われることのないままポイントが毎月失効していくケースも十分に考えられるため、「2年間で最大15000円分のTポイント」という売り文句は絵に描いた餅のようなものと言わざるを得ないわけです。
利用先もYahoo!ショッピングやヤフオク!など、Yahoo!JAPAN関連サービスに限定。ファミリーマートやスターバックスコーヒーなどのTポイント加盟店での支払いに使えるわけでもありません。
◆本当の長期ユーザーにあまり優しくない割引率
そしてもう一つ気になるのが、ソフトバンクの長期継続特典の割引率。
契約年数にかかわらず、更新月を迎えたユーザーから順番に一律200円割引ないし500円分のTポイント還元を選べる形ですが、ドコモの場合、契約年数やパケットパックの容量次第で、毎月500円以上割り引かれることは多々あります。
auの場合、月額料金が割り引かれない代わりにデータ定額料1000円ごとに20~100ポイントを還元。還元されたポイントは貯めることができ、au WALLETカードを使えば全国のMasterCard加盟店で利用可能。さらに1ポイント1円以上の価値で還元してくれるギフトセレクションも本日から開始されるなど、ポイントの使い勝手が良い点がアドバンテージです。
◆毎月Yahoo!JAPANのサービスを使うならお得?
このように長期契約者に対する割引額でドコモに引けを取り、ポイントの使い勝手でauに引けを取る形となったソフトバンクの長期継続特典。
還元したポイントを自らの経済圏で循環させることで、損をしない仕組みをソフトバンクが重視した結果とみられます。
もし「毎月必ずヤフオク!を利用」「Yahoo!ショッピングでの買い物は欠かせない」「動画サイトならGyaO!」といったユーザーであれば、毎月500ポイントの還元はそれなりに割のいいものかもしれません。
しかしAmazon.co.jpやヨドバシ.com、楽天、Netflix、Hulu、dTVといったソフトバンク系列以外のサービスを中心に利用しているユーザーは、あまり恩恵を得ることができないわけです。
さらに「月間500円以内に収まる買い物」も現実的ではなく、失効するポイント惜しさに何か買い物をするも、足りない分を補うために身銭を切る……という、もはや何がしたいのか分からない事態にもなりえます。
なお、ソフトバンクは今まで提供してきた月額料金1000円につきTポイント5円分、パケットパックと契約年数に応じて最大5倍に還元率が上がる「長期継続ボーナス」の新規適用を2017年1月31日(火)に終了予定。
2018年11月30日(金)をもってサービス自体の提供も終了するとしていますが、こちらを拡充してくれた方が有難いユーザーもいたのでは……という気がしてなりません。
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