世界初のAndroidスマホをリリースするなど、スマホ市場で最先端をひた走っていたにもかかわらず、2013年にはシェアが2%にまで下落し、2015年にはブランド価値ゼロとみなされるなど、厳しい状況に陥ったHTC。
カメラに注力したハイエンドスマホを積極的に投入しつつ、VRヘッドセットなどの新規市場の開拓を進めていますが、残念ながら浮上策にはつながっていないようです。詳細は以下から。
台湾メディアDIGITIMESの報道によると、HTCはソフトバンク傘下の米スプリントと提携して「HTC 10 evo」を発表するなど、スマホ市場でのシェアを獲得すべく取り組んでいますが、全体の出荷台数は伸び悩む見通しであることを業界関係者が明かしています。
11月末に発表されたHTC 10 evo。Gorilla Glass 5採用の5.5インチWQHD液晶、なぜか1世代前のハイエンドプロセッサSnapdragon 810、3GB RAM/32ないし64GB ROM、1600万画素背面カメラなどを備えたモデルで、イヤホンジャックは廃止。IP57の防塵防水対応のAndroid 7.0スマホです。
また、HTCはOEM(相手先ブランドによる生産)事業として、史上最強と評価されるカメラを備えたハイエンドモデル「Google Pixel」の製造を担当しましたが、収益に大幅な貢献をするものではないとのこと。
HTCの新機軸として期待を集めるVRヘッドセット「HTC Vive」についても、ホリデーシーズン中に100ドルを割り引くキャンペーンを開始したものの、キラーアプリケーションの不在とVRに対応できるPC環境を構築するコストが高いことから消費者が寄りつかず、成長の牽引役にはならないとされています。
なお、調査会社によると、HTC Viveの2016年の出荷台数は40万台に達する見通し。2017年にはさらなる伸びを見せると期待されていますが、主要部品の不足によって60万台程度にとどまる可能性も浮上しており、成長の決め手に欠ける状況が来年も続くという観測が広がりつつあります。
HTC overall sales to remain stagnant in 2017
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