ネット上に突如表れた謎の囲碁棋士の正体はあのAlphaGoの改良型でした。詳細は以下から。
2016年3月、世界最強の棋士のひとりとされる韓国のイ・セドルと対局し、4勝1敗で勝利したことで世界にその名を知らしめたAlphaGo(アルファ碁)。Google DeepMindがニューラルネットワークを応用して開発し、人間のプロ囲碁棋士をハンディキャップなしで破った初の囲碁プログラムとなりました。
そして時は2016年末、ネット上に謎の囲碁棋士「Master」が突如として現れました。Masterはネット上の囲碁サイト、「野狐囲碁」と「東洋囲碁」に出現し、それぞれのサイトで世界中のトップ棋士たちを次々と撃破していったのです。
日本最強と謳われる井山裕太六冠が1月2日に対局しましたが、Masterはこれも撃破。そして最終局では中国のトップ棋士である古力九段を撃破し、なんと60戦全勝という無双ぶりを見せつけました。
AlphaGoの勝利を受け、2016年末に掛けてAIであると目される複数の謎の棋士がネット上に登場していたことから、Masterも何らかのAI棋士だと考えられていましたが、1月5日にGoogle DeepMindの共同創始者でCEOのDemis Hassabis氏がツイッター上で種明かしを行い、Masterの正体が改良型AlphaGoであることが明かされました。
Excited to share an update on #AlphaGo! pic.twitter.com/IT5HGBmYDr
— Demis Hassabis (@demishassabis) 2017年1月4日
Demis Hassabis氏はツイートで、年末年始にMasterとMagisterというアカウントで改良型AlphaGoプロトタイプの非公式テストを「野狐囲碁」と「東洋囲碁」で行っていたと説明。最終局で戦った古力九段の「人類とAIが手を取り合い、まもなく囲碁のより深い神秘を解き明かすだろう」という言葉を紹介しています。なお、年内には世界のトップ棋士との公式戦も行うとのこと。
今回は囲碁の話ですが、人類のエキスパートが気付かない手をAIが気付けるとしたら、AIが人類と共に解き明かすのは囲碁の神秘だけには留まらないのかもしれません。
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