【祝報】「この世界の片隅に」が2016年キネマ旬報ベストテンで邦画第1位に、アニメ作品としては「トトロ」以来の快挙


「この世界の片隅に」がキネマ旬報で邦画第1位の栄光に輝きました。

2016年公開の映画が対象の第90回キネマ旬報ベストテンが10日に発表され、2016年11月12日に公開された片渕須直監督のアニメーション映画「この世界の片隅に」が日本映画の第1位に選ばれました。アニメーション映画が同ベストテンの1位に輝いたのは1988年の宮崎駿監督による「となりのトトロ」以来の快挙となります。

「この世界の片隅に」はこうの史代原作の同名漫画がアニメ映画されたもの。第二次世界大戦下の軍港、呉に嫁入りする広島出身の18歳の女性すずさんの日常と、その日常を侵食する戦争の様子をすずさんの視点から描き上げた作品。

同作ではパイロットフィルムを作成するべく資金調達のためにクラウドファンディングが利用され、日本国内では過去最大の支援者数と支援金額を集めたことで話題となりました。また主人公のすずさんの声を、以前の所属事務所の圧力によって「干された」状態になっていた事で知られるのん(本名:能年玲奈)さんが見事なまでに演じきったことも大きく評価されています。

11月12日の時点での上映館は全国併せても63館という小規模公開(「君の名は」の1/5程度)でしたが、2017年1月4日までに116館に拡大し、同日付で興行収入も10億円を突破、観客動員数も75万人を超えています。年末年始の冬休みシーズンを終えて同作の上映館はさらに拡大、1月7日からは58館増えて累計で200館を超える予定だとのこと。

海外でもアメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、メキシコ、台湾、香港、タイなど全世界18か国でも上映が決定、片渕監督を上映国に送り出そうというクラウドファンディングが公開直後に行われましたが、こちらも11時間で目標額の1080万円に到達していました。

また、本作によって片渕監督は日本映画監督賞も選ばれており、アニメ作品での監督賞受賞は初の快挙。制作開始の段階から異例尽くめの作品でしたが、遂に世界の片隅から日本映画界の中心にまで辿り着いたということができそうです。

キネマ旬報ベストテンについては、読者ベストテンが2月3日発表の予定。こちらとのダブル受賞はあり得るのでしょうか?

2016年 第90回キネマ旬報ベスト・テン|KINENOTE

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