大豆ではなく蚕の繭から醤油を作るべくクラウドファンディングが始まっています。詳細は以下から。
日本人の食生活に決して欠かすことのできない調味料の筆頭といえば醤油。和食と呼ばれる料理の極めて多くに醤油は決定的な味付けとして関わってきます。
その醤油の主原料といえば大豆ですが、その大豆の代わりに蚕の作る繭、つまりはシルクで醤油を作ろうというプロジェクトが始まっています。
このシルク醤油プロジェクトの仕掛け人のひとりが以前BUZZAP!でもロングインタビューをおこなった昆虫エネルギー研究所代表の佐藤裕一さん。インタビュー時にもシルク醤油の可能性について熱く語って頂きましたが、いよいよクラウドファンディングが始動しました。
佐藤裕一さんからの熱いメッセージはこちらから。
マユを発酵させて作った「シルク醤油」!!
昆虫エネルギー研究所さんの投稿 2017年10月18日(水)
【すごい長文ですがぜひ最後まで読んでください】
【拡散大歓迎です】
2017年10月16日より、クラウドファウンディングを開始しました。
マユを発酵させて作った液体調味料「シルク醤油」の開発プロジェ...
「麹菌により大豆のタンパク質が分解されて醤油ができるのなら、タンパク質が多く含まれる繭を発酵させてみたら醤油ができるのでは?」という素朴な疑問から始まったこのプロジェクトを動かしているのは、日本醤油発祥の地といわれる和歌山県湯浅町で135年に渡って醤油を作り続けてきた老舗の湯浅醤油さん。
2016年1月から試作を繰り返してきた湯浅醤油さんですが、長年醤油を作り続けてきた同社社長も「初めて味見したときは、何でこんなに甘いのかと驚いた。大豆や小麦からくる味わいとは違った」と驚いた味わいです。
筆者もインタビューの時に味わわせて頂きましたが、ふわっと軽さのある華やいだ味わいはこれまで味わったどんな醤油とも違うもの。醤油を感じさせながらも従来の醤油の枠を飛び越える新鮮な風味に驚かされました。
蚕の繭の中心繊維のフィブロインというタンパク質は、肌のコラーゲンと深く関係のあるグリシンやアラニンを主とした18種類のアミノ酸で構成されています。
そして今回のシルク醤油の原料の一部は人工飼料には餌付きにくい都浅黄(みやこあさぎ)という黄色い繭を作る品種を使用しています。黄色い繭は白い繭に比べてセリシンというタンパク質が非常に多いといわれるもの。クラウドファンディングでのプレオーダーでは白い繭と黄色い繭の2種類から選ぶことができます。
なお今回クラウドファンディングに踏み切った大きな理由は、販売できるだけの量を醸造するには多額の材料費が必要ということ。もちろん高級素材のシルクですから想像どおり、安価に手に入るものではありません。
そして現在、日本書紀の時代から連綿と続けられてきた日本の養蚕業は農家の高齢化と後継者不足により大きな危機に瀕しています。
一方では、従来の絹織物に加えて化粧品、食品、医療品としてのシルクの需要が世界的に高まっており、今後シルクを巡るマーケットが大きく発展する可能性も指摘されています。
つまりは養蚕業を保護し、発展させていくということは日本古来の伝統産業を守ることでありながら、将来の世界的ニーズに備えた高レベルのノウハウの維持という未来に向けた施策でもあり、シルク醤油はその架け橋の最初の一歩としての大切な役割も担っています。
プロジェクトの期間は12月22日(金)の23:00まで。200万円を目標額としており、資金提供は3000円から30万円まで。それぞれ完成したシルク醤油をリターンとして手に入れることができます。発送は2018年5月までとのこと。
日本の伝統の新たな一歩に出資してみてはいかがでしょうか?
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