観光客で埋め尽くされる嵐山からJRで1駅足を伸ばすと、そこは山深い渓谷の別世界でした。詳細は以下から。
嵐山から1駅4分で山深い渓谷、保津峡に辿り着いたBUZZAP!取材班は秋深まる渓流の風景の中を歩いて清滝に到達しました(前編はこちらから)。ここから嵯峨野に向かいます。
清滝の集落から少し上ると京都バスの清滝バス停があります。疲れたらここから阪急嵐山駅までバスに乗ることができますが、30分に1本程度なので注意。なお京都駅や三条京阪駅に行くバスは朝しかありません。
バス停の目の前の一文字屋食堂では食事もできます。
ですがせっかくなのでバスには乗らず、このバス停の目の前の清滝トンネルを歩いて抜けてみることに。そう、京都の心霊スポットとして有名なあの清滝トンネルです。「え、歩けるの?」と思われがちですが、ご覧の通りトレッカーもチャリダーも車両も仲良く通行可能です。
ただし小さいトンネルのため信号による交互通行。歩道も段差などない単なる白線なので注意が必要です。
京都バスもこの通り。
トンネルは曲がっているため、出入口が見えないとなかなか雰囲気があります。
出口が見えてきました。画像にオーブが写っていますが霊現象ではなく光の加減です(確信
動画で見るとこんな感じです。何らかの霊圧を感じた方はよろしければ当編集部まで詳細をご教示ください。
心霊スポットとして有名な京都の清滝トンネルを徒歩で抜けてみた - YouTube
出口が近くなりました。光の差す方へ感が満ち溢れています。
トンネルを抜けるとそこは紅葉の嵯峨野でした。
振り返ると…確かにちょっと怖いですね。
トンネルの出口のすぐ側には千二百羅漢像で有名な愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)があります。境内には可愛らしい羅漢像がずらり1200体並んでいます。これらの羅漢像が作られたのは昭和後期から平成初期のこと。中にはウォークマンを聴いている羅漢像もあり、時代を感じさせます。
そのまま下がっていくと鳥居本へ。
落合から六丁峠を越えるとこの愛宕神社一の鳥居に辿り着きます。
この辺りの紅葉も美しく色づいていました。
鳥居のたもとにあるのが400年の歴史を持つ鮎司平野屋。ここでひと休みもよいですね。
さらに少し下ると化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)。空海が五智山如来寺を建立して野ざらし(風葬)になっていた遺骸を埋葬したことに始まるお寺です。ここには竹林もあり、有名な竹林の道よりも立体感に溢れるため、ここで自撮りをする人も少なくありません。
さらに下っていくと観光地感が増し、土産屋やレストラン、ミュージアムなどが見えてきます。
こちらは祇王寺。静かなお寺で苔むした庭園が見所。
もう少し下がると二尊院があります。
ここは紅葉で有名ですが、標高が少し低いからか訪れた時は色づき始めといったところでした。
ここには小倉百人一首を編纂した時雨亭という建物の跡地があります。本堂からさらに階段を上って山の中を100mほど歩くと辿り着きます。
今はこの通り基礎のみが残されています。
ここは展望台にもなっていて、京都市内が一望できます。こういう風景を眺めながら小倉百人一首が選ばれていったと考えると感慨深いものがあります。
さらに下がっていくと常寂光寺。こちらも紅葉の名所であり、苔むした庭の美しさも有名です。
こちらにも展望ポイントがあります。
ここを過ぎるとトロッコ嵐山駅。観光客でごった返しています。ベンチがあり屋台を始め飲食できるので、ひと休みするには悪くありません。しかし混みすぎ。
トロッコの線路を越えてさらに下がったところが世界的に有名になってしまった竹林の道。これくらいの人出なら理想的ですが…。
現実はこれです。素敵な写真が撮りたければ朝一番に来るか、そもそも観光シーズンを外すしかありません。竹は紅葉とは関係ないですからね!
この大混雑を避けて南にさらに下がると亀山公園(嵐山公園亀山地区)に辿り着きます。ここは観光客も少なくゆっくりできる場所。人混みに疲れた時に一息入れるには最適です。むしろ近所の人がのんびり普通の公園として使っている印象ですね。
この公園の南側はもう桂川。保津川下りの着船場もこの辺りになります。と、見ていると対岸からボートが運ばれてきました。外国人観光客らしき2人組が待っているようですが…?対岸には茶屋らしきお店が。
なんと対岸の茶屋に行きたいお客さんはこの手こぎボートを使って来て下さいとのこと。ここは以前デイリーポータルZの記事「京都・嵐山のボートを漕いで辿りつく天国のような茶屋」で紹介されていた琴ヶ瀬茶屋でした。
観光客2人に加えてBUZZAP!取材班を含めて大人数になるため、手こぎボートではなく動力付きの大きなボートに乗せていただきました。
桂川の真ん中から上流を見ると小倉百人一首の小倉山が見えると説明して頂きました。日の当たっている丸みのある山が小倉山です。
こちらは下流。遠くに渡月橋が見えます。
琴ヶ瀬茶屋に近づくと鴨の群れがお出迎え。
上陸してみるとなかなかワイルドな感じです。そこがまたたまりません。
こちらに屋台船が接岸していたのですが、保津川下りが行われている期間はこの船で横付けして訪問販売をするとのこと。なんと大正時代からおこなわれていたそうです。
メニューの料金はこんな感じ。外国人観光客の2人と辿り着いたためか英語メニュー。おでんとイカ焼きを食べながらビールなどもう最高です。
景色は抜群ですが、日が当たらないのでこれからの季節はちょっと寒いかもしれません。しっかり厚着していきましょう。でも夏は涼しくて最高ですね。
ということで、保津峡駅に午前9時について琴ヶ瀬茶屋でビールを飲んだのが午後3時。意外なことにかなりお手軽なハイキングになりました。健脚ならばもっと短時間で歩けますし、その分の時間を嵐山観光に振り分けることも可能です。
次の京都旅行はちょっと足を伸ばして違った風景を楽しんでみてもよいかも知れません。
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